「環境放射能学セミナー in 浜通り」を開催しました(2025年11月8日~9日)
11月8日(土)~9日(日)の2日間にわたり、「環境放射能学セミナー in 浜通り」と題した特別セミナーを福島県双葉町、大熊町、富岡町、浪江町で開催しました。これは、(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構が実施する「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」の一環として実施したものです。IERは、長崎大学による採択事業「災害・被ばく医療科学分野の人材育成による知の交流拠点構築事業」に共同申請校として参画しています。セミナーには、福島大学、福島県立医科大学、福島工業高等専門学校から21名の学生が参加しました。
1日目は、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館(以下「伝承館」)での座学から始まりました。はじめに難波所長から開会挨拶と趣旨説明があり、その後IERの教員2名(和田敏裕教授、脇山義史准教授)と岩手大学農学部の石川奈緒教授が福島第一原発事故で放出された放射性物質による生態系や環境への影響について講義を行いました。



1日目の午後は、中間貯蔵事業情報センター(大熊町)と東京電力廃炉資料館(富岡町)を見学しました。例年は中間貯蔵施設内でバスを降りて線量測定などの活動を行うことができましたが、今年は施設内で熊の目撃情報があったため車外に出られず、車窓からの見学となりました。



2日目の午前は、伝承館内の展示を見学した後、被災地をバスで巡る伝承館フィールドワークに参加し、浪江町と双葉町の震災当時の状況やその後の復興の歩みについて解説を受けました。


2日目の午後は、伝承館語り部による講話を聴講しました。語り部を務められたのは福島大学の先輩で、原子力災害は現在進行中の災害であること、当たり前の日常が突然奪われること、心ない声が被災者を苦しめることなどについて語られました。この講話は学生たちの心にとりわけ強く響いたようです。


その後、福島大学の環境放射能学専攻の大学院生による研究発表と、福島大学の学類生や福島県立医科大学と福島工業高等専門学校の学生を交えたグループディスカッションが行われ、文系の学生からも理系の学生からもさまざまな考え方に触れることができて有意義だったとの感想が聞かれました。



IERでは今後も、原発事故被災地域の現状を直接見聞きする機会を学生に提供し、浜通り地域の復興に貢献する人材育成に携わりたいと考えています。