第6回IERセミナーを開催しました<金指研究員、平尾准教授、ヨシェンコ教授>(2025年11月17日)
| 日時 | 2025年11月17日(月)13:30~15:00 |
| 場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室 / オンライン(Zoom) |
| 発表者 | 金指努研究員(プロジェクト) 平尾茂一准教授 ヴァシル・ヨシェンコ教授 (発表順) |
| 演題 | 林内のCs移動を考慮しない航空機モニタリングによる137Cs沈着量の時間変化は林内の137Cs移動を表す(金指) 福島での環境トリチウム調査と環境影響評価に向けた展開(平尾) 福島の森林における137Cs準平衡レベル評価のための同位体手法の適用(ヨシェンコ) |
| 参加人数 | 25名 |
環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。
11月17日(月)に開催した令和7年度の第6回IERセミナーでは、金指努研究員、平尾茂一准教授、ヴァシル・ヨシェンコ教授が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら25名が参加しました。
金指研究員は、航空機モニタリングにより推定された森林のセシウム137沈着量の減少率が実測値と比較して大きいことを示し、空間線量率から沈着量へ変換する係数を、2011年から一定にして計算していることが影響していると考察しました。しかし、この沈着量の時間変化は森林内のセシウム137が地上部から土壌へと移動する速さを表していると仮説をたて、原発事故後、セシウム137の大半が土壌へ移動するのに要した時間を二重指数関数モデルで予測しました。
平尾准教授は、大気水蒸気中トリチウムの短期変動を解明するための新しい観測装置の開発状況と性能評価について発表しました。装置の特徴は持ち運び可能であり、商用電源が不要であること、それによって数日間の連続した観測が可能となったことが報告されました。実験室内での予備実験の結果から、実環境で要求される大気水蒸気中トリチウムの捕集性能を保持していることが示されました。福島の屋外環境中で試験観測を実施した結果、商用電源を用いることなく数時間ごとの大気水蒸気中トリチウム濃度の観測に成功しました。本装置を用いることで、トリチウム放出施設における緊急時モニタリングの高度化に貢献することが発表されました。
ヨシェンコ教授は、IERの森林プロジェクトにおける最新の成果を発表しました。まず、スギ林地上部バイオマスへの根からの137Cs吸収を制御する局所的要因として、土壌中の交換態137Cs/K比について簡潔に説明しました。次に、発表の主要テーマである同位体手法に焦点を当て、この手法の詳細とその適用経緯について説明しました。山木屋のスギ林でこの手法を用いた事例研究では、樹木バイオマス中の137Csが準平衡状態に達していることが示されています。最後にヨシェンコ教授は、この生態系における地上部樹木バイオマス中の137Csインベントリの動態を示し、他研究によるモデル予測と比較しました。
各発表後には、参加者からさまざまな質問やコメントが挙がりました。





