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研究活動

公表データ

■ ガンマ線スペクトルデータ
・IAEA 1995 test spectra (download)
・IAEA 2002 test spectra (download)
・List of spectra (download)

IAEA1995 test Spectraおよび IAEA 2002 test (Blaauw 1999, Blaauw and Gelsema 1999, Blaauw, Keyser et al. 1999, Arnold, Blaauw et al. 2005, Los Arcos, Blaauw et al. 2005)Spectraの掲載にあたって

2018年12月2日

(元)環境放射能研究所 青山道夫 特任教授

IAEA(国際原子力機関)は1995年に初めてのガンマ線スペクトルのセットをIAEA1995 test Spectraとして準備した。目的はガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアのピーク探査による正味のカウント数とそのエネルギを決定する能力を見ることにあった (Blaauw 1999, Blaauw and Gelsema 1999, Blaauw, Keyser et al. 1999)。Blaauw(1999)によると、対象となった13のガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアは、そのほとんどは単独ピークであれば極めて良好なよく似た結果を得ていたが、重複するピークではすべてのガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアは問題を抱えていた。さらに、実際の環境放射能測定や、低レベルの放射能測定ではサム効果が起こり、また低い放射能濃度の試料では大きなサイズの検体として測定せざるを得ない場合もあり、この場合は検出効率やサム効果の大きさを一定とみなすことができなくなる。これらの効果を補正するガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアもできていることから、IAEAは二つめのガンマ線スペクトルのセットをIAEA 2002 test Spectraを準備し、7つのガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアに対して比較実験を行った(Arnold, Blaauw et al. 2005, Los Arcos, Blaauw et al. 2005)。結果は7つすべてのガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアが本来の目的を何らかの点で満たしておらず、改善の余地があるとするものであった。

日本国内で現在使用されているガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアは過去の比較実験の対象となっていないものも多く、その性能が厳密に検証されていない状況である。今回、これらのIAEAのtest Spectraを作成し比較実験を主導したBlaauw博士の承諾を得て、環境放射能研究所のweb siteにIAEAの1995年および2002年のtest Spectraを掲載し、ガンマ線スペクトルの解析ソフトウェアの使用者がいつでも使用できるようにする。

参考文献