令和5年10月21日(土)~22日(日)、環境放射能学セミナー in 浜通りを開催しました。

10月21日(土)、22日(日)の2日間にわたり、「環境放射能学セミナー in 浜通り」と題した特別セミナーを福島県双葉町、大熊町、富岡町、浪江町で開催しました。これは、(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構が実施する「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」の一環として実施したものです。IERは、長崎大学による採択事業「災害・被ばく医療科学分野の人材育成による知の交流拠点構築事業」に共同申請校として参画しています。セミナーには、福島大学および福島工業高等専門学校から26名の学生が参加しました。

1日目は、双葉町にある東日本大震災・原子力災害伝承館(以下、「伝承館」という。)での座学から始まりました。はじめに難波所長から開会挨拶と趣旨説明があり、その後IERの教員4名が福島第一原発事故により放出された放射性物質の環境中や生態系への影響に関する講義を行いました。

IER教員による講義
IER教員の講義を受講する参加者

1日目午後は、東京電力廃炉資料館(富岡町)および中間貯蔵工事情報センター(大熊町)を見学しました。

東京電力廃炉資料館の見学
中間貯蔵工事情報センターでは実際に空間線量を測定

2日目午前は、伝承館の展示ブース見学後、伝承館フィールドワークに参加し、実際に双葉町や浪江町の被災地をバスで巡り、震災による被害や復興の状況を確認しました。また、伝承館語り部による講話を聴講しました。午後は、福島大学の環境放射能学専攻の大学院生による研究発表や福島大学の人文社会科学系と理工系の学類生・大学院生と福島工業高等専門学校の学生を交えた異分野学生によるグループディスカッションが行われ、被災地の復興やまちづくり等に関する様々意見が出されました。

伝承館展示ブースにて、福島で起きた地震、津波、福島第一原発事故の複合災害の実態や復興に向けた歩みを見学
大平山霊園(浪江町)にて、津波による被災状況や震災時の請戸小学校の避難行動の実話の説明を受ける参加者
伝承館語り部の方による講話
異分野の学生によるグループディスカッション

IERでは今後も、原発事故被災地域の現状を直接見聞きする機会を学生に提供し、浜通り地域の復興に貢献する人材育成に携わりたいと考えています。