令和5年6月28日  福島県立福島高等学校にて招待講義を行いました。グシエフ特任准教授

日時2023年6月28日(水)13:10 – 16:00
場所福島県立福島高等学校
講師マキシム・グシエフ特任准教授
講義タイトルAnthropogenic and natural tritium radionuclide for numerical modeling of water transit times(水の通過時間の数値モデリングのための人為起源および天然のトリチウム放射性核種)
講義を行うグシエフ特任准教授

令和5年6月28日(水)、当研究所のマキシム・グシエフ特任准教授が、福島高校3年生約40人を対象に招待講義を行いました。福島高校は文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクールに指定されており、その活動の一環として、外国人研究者を招き英語で講義を行う取り組み(サイエンスダイアログ)をされています。

講義は、グシエフ先生の教育背景や、これまでにウクライナ、アメリカ合衆国、ニュージーランド、日本で行ってきた、また現在行っている研究の紹介から始まりました。その後、東京電力福島第一原子力発電所からの海洋放出が予定されている、トリチウムを含むALPS処理水について触れ、トリチウムの化学的性質や安全性、環境トレーサーとして果たす本来の役割について解説されました。講義後に生徒たちが英語で行ったプレゼンテーションでは、トリチウムに関する新しい知識が得られた、水中のトリチウムの安全性に関する認識が変わったという感想や、トレーサーとしての天然のトリチウムに対する強い関心が示されました。また、休憩時間にも多くの生徒が熱心に質問をしていました。

講義の締めくくりには、グシエフ先生から「科学とは、新しい知識や発見を得るためにデータや数値モデリングから学ぶことです。どうかその情熱を持ち続け、サイエンスマインドを高め続けてください。今後、科学の道で再会することを楽しみにしています。」とのメッセージが送られました。

福島第一原子力発電所の地下水のモデリングについて生徒の質問に答えるグシエフ特任准教授