令和7年2月3日、第10回IERセミナーを開催しました <大学院生>
| 日時 | 2025年2月3日(月)13:30~15:00 |
| 場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom) |
| 発表者 | 菅野遥登(共生システム理工学研究科 環境放射能学専攻 博士前期課程1年) 益子惇(共生システム理工学研究科 環境放射能学専攻 博士前期課程1年) 吉田旭(共生システム理工学研究科 環境放射能学専攻 博士前期課程1年) (発表順) |
| 演題 | 動物の事故死個体を用いた哺乳類・鳥類の137Csの広域的蓄積評価(菅野) 飼育試験及び原発近傍河川調査によるニホンウナギの137Cs取込経路の推定(益子) Rn-222を用いた大気輸送モデルの計算値と観測値の比較(吉田) |
| 参加人数 | 15名 |
環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。
2月3日(月)に開催した令和6年度第10回IERセミナーでは、大学院生の菅野遥登さん、益子惇さん、吉田旭さんが発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら15名が参加しました。
石庭研究室の菅野さんの研究では、福島県内で事故死(特にロードキル)した野生動物を収集し、137 Csの蓄積を評価しました。福島第一原発事故(2011年3月)では、大量の放射性物質が大気中に放出され、広範囲に降下・沈着しました。特に137 Csは生物への蓄積が懸念される半減期の比較的長い核種です。これまでの調査では、多様な生物において高濃度の放射性物質が確認されていますが、大型・中型哺乳類のデータは限られています。本研究では、2024年4月から2025年1月にかけて14種47個体を回収し、同時期の福島県のモニタリング結果と比較しました。その結果、アナグマ、イタチ、テンなどイタチ科の個体で特に高い137 Cs濃度が確認されました。
和田研究室の益子さんは、淡水域から海域にかけて生息するニホンウナギの137Csの取込経路を、淡水と海水(塩分濃度0.1:32 psu)での飼育試験と、原発近傍の河川調査により推定しました。試験水に対する魚体の137Csの濃度比(CR値)の極限値は、海水区で9.79 L/kg、淡水区で2.30 L/kgと推定されました。天然個体のCR値(平均234 L/kg)は、試験での予測値を大幅に上回っていました。これらの結果から、137Csの取込は塩分濃度の影響を受けること、また餌生物が主な取込経路であることが示唆されました。
平尾研究室の吉田さんは、大気汚染物質や放射性物質の移流・拡散といった環境問題の解決に有効である大気輸送モデルの精度向上を目的とし、天然放射性核種であるRn-222を地表からの輸送過程を評価するトレーサーとして用い、大気輸送モデルによる計算値と観測値を比較した結果について発表しました。
各発表後には、IER教授陣からたくさんの質問とコメントが挙げられました。





