令和5年1月27日 IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<カシパロフ教授>

日時

2023年1月27日(金)16:00 – 17:50

場所

オンライン(Zoom)

外部講師

ヴァレリ・カシパロフ教授、ウクライナ国立生命環境科学大学 ウクライナ農業放射線研究所 所長

タイトル

Field sampling and statistics in radioecology

環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。

1月27日に開催されたヴァレリ・カシパロフ教授による「陸域放射生態学」のオンライン講義には、環境放射能学専攻の修士・博士課程の学生をはじめ、IERのメンバーや客員研究員が参加しました。 この講義でカシパロフ教授は、環境試料中の放射性核種の沈着量と濃度の時間的・空間的変動、および放射生態学的モニタリングや放射線評価を実施する際に直面する不確実性へのアプローチについて説明しました。限られた観測区域内で測定される放射能汚染レベルの不均一性の原因となる規則的、スポット的、ランダムな成分、また、サンプリンググリッド、サンプリングエリア、サンプル数、地域的要因がモニタリングデータの精度に与える影響について議論されました。土壌沈着量、植物汚染量、移行係数などの平均値を所定の精度で得るための試料採取数についてアドバイスを行いました。質疑応答では、放射生態学的モニタリングにおける外れ値の問題、カリウムや安定ヨウ素などの元素分布の局所的な不均一性、魚の汚染度を把握するためのサンプリング要件、魚による90Srの取り込みメカニズムなどについて、活発な議論がありました。