第25回研究活動懇談会をIERで開催しました(2025年12月25日)

日時2025年12月25日(木) 13:30~15:45
場所環境放射能研究所本棟2F A206会議室
演題請戸川から流出するセシウム137と沿岸海域への影響(脇山義史准教授、環境放射能研究所)

環境放射能研究所(IER)では研究成果を地域に還元するために、2016年から研究活動懇談会を毎年数回開催しています。第25回となる今回は「請戸川から流出するセシウム137と沿岸海域への影響」と題して開催し、浜通りの漁業関係者を中心として6名にご参加いただきました。

脇山准教授は、請戸川からのセシウム137の流出と沿岸海域への影響について、大きく3つのトピックに分けて説明しました。まず、河川におけるセシウム137の基礎的な動きとして、セシウム137は主に懸濁態として流出しているが、1年間の流出量は、2011年の観測事例でも河川流域の総沈着量の1%内外と報告されており、近年はセシウム137濃度の減少によりさらに低下しています。これに物理崩壊や除染による減少分を勘案しても、セシウム137の6割程度が陸域に残存していると考えられると話しました。

次に、請戸川での実際の観測事例に基づき、河川を通じたセシウム137の流出は降雨パターン、土地利用、流域内のセシウム137の分布といった複雑な要因の影響を受けることを報告しました。また、請戸川沿岸海域におけるセシウム137の動きについて、既往研究を参照し、請戸川や福島第一原発の周辺では海底土や海水中のセシウム137濃度が他の場所に比べて高い傾向があり、台風の影響によって一時的に濃度が上昇することがあるものの、長期的には減少傾向にあることが説明されました。

脇山准教授の発表後、IER所長の難波教授をファシリテーターとして意見交換が行われました。参加者からさまざまな質問や意見が出され、活発な議論が交わされました。

脇山准教授の発表
会場の様子
参加者と意見交換する難波教授