Japanese
IER活動記

平成29年度

平成30年3月26日 IERセミナー 2018年3月

日 時 3月26日(月)16:30-18:00
発表者 高瀬つぎ子 特任准教授、川越清樹 准教授
演 題 原発事故直後に採取された土壌資料について、ウバ川での共同研究
参加人数 9人

年度末、学内の卒業式当日に開催となったIERセミナーは、9名が参加しました。高瀬准教授は、2011年の原発事故直後に福島県内で採取された土壌試料について発表しました。
一方、川越准教授は、ロシア連邦のウパ川での共同研究計画について発表を行いました。それぞれの発表の後には、活発な議論が交わされ、2017年度最後にふさわしいIERセミナーとなりました。

平成30年2月19日 IERセミナー 2018年2月

日 時 2月19日(月)16:30-18:00
発表者 イスマイル ラハマン 准教授、平尾茂一 講師
演 題 土壌からの特定核種の除去方法の検討について、セシウム137濃度の季節変動について
参加人数 13人

来月の成果報告会まで1ヵ月を切った2月IERセミナーには13名が参加しました。ラハマン准教授は、本研究所で現在取り組んでいる、土壌からの特定核種の除去方法の検討について、現時点での結果と今後の展望について発表しました。
一方、平尾講師は、福島市と大熊町でのセシウム137濃度の季節変動について報告を行いました。2つの発表後それぞれについて、多数の意見交換がなされました。

平成30年1月24日 浪江町で第6回研究活動懇談会を開催しました。

ヴァシル・ヨシェンコ特任教授が浪江町内で調査を行っているマツ・スギ・ヒノキの現状と対策について報告しました。今回は浪江町の林業関係者を対象に行ったもので、31名の参加がありました。
ヨシェンコ特任教授は最初に、どのような仕組みで樹木が放射能に汚染されたかを、図を用いて説明しました。次に現在まで解っている汚染状況を説明し、最後に考えられる対策について話しました。
報告後、参加者からは「林業の復興のために今後も環境放射能研究所の先生たちと継続的に交流を図り、次世代に向けて出来ることについて共に協力していきたい」と意見が出されました。

平成30年1月22日 IERセミナー 2018年1月

 
日 時 1月22日(月)16:30-18:00
発表者 斎藤梨絵 客員研究員、和田敏裕 准教授、マーク ゼレズニャク 特任教授
演 題 セシウム137濃度について調べている狩猟鳥や猛禽類の研究について、セシウム137の動態モデルについて
参加人数 13人

2018年最初のIERセミナーは、13名が参加し、3題の発表がありました。斎藤梨絵客員研究員は、セシウム137濃度について調べている狩猟鳥や猛禽類の研究について発表しました。和田准教授は、本今年度行っている研究と今後の展望について発表しました。
一方、ゼレズニャク特任教授は、福島第一原子力発電所近くの近海でのセシウム137の動態モデルについて、柴崎教授は、今年度より開始しているウクライナとの共同研究プロジェクトに関する現地の地下水ならびに福島第一原子力発電所付近の地下水に関する研究の現状報告を行いました。

平成30年1月15日 IER特別セミナー「ヨーロッパとアジアの間の広大な国~ウクライナ~その今と日本との関わり」を開催しました。

日 時 1月15日(月)16:30-18:00
発表者 片岡浩史(IER特任専門員・ウクライナ駐在)
演 題 ヨーロッパとアジアの間の広大な国~ウクライナ~その今と日本との関わり
参加人数 34人

今年度から開始したSATREPS(サトレップス)プロジェクト「チェルノブイリ災害後の環境管理支援技術の確立」の現地調整役としてウクライナに駐在している片岡浩史特任専門員の一時帰国にともない、ウクライナ文化を紹介するセミナーを開催しました。

本研究所には、チェルノブイリ原発事故後の環境放射能を研究している研究員が多数在籍し、当事国ウクライナの研究員も2名(最大時4名)在籍しています。また、サトレップスプロジェクトでは、日本人研究者がウクライナで研究を行っています。これらのことから、本研究所ではウクライナ文化を知ることも重要となっています。

講演では、歴史的・地理的な要因からくるウクライナ人やウクライナ社会の特徴、周辺国との違い、さらには日本との関わり(横綱大鵬、ペテルブルク建設、シベリア・極東開拓、に関わったコザックたちの歴史)について、カラフルな写真に加え、音楽やダンスの動画も交えて、わかりやすく説明しました。参加した学生や教職員はみな興味深く話に聞き入っていました。さらに、チェルノブイリ原子力発電所事故により立入禁止区域となってしまったポリーシャ地域では文化が途絶えてしまい、ウクライナ人は喪失感をもっていると話しました。

ウクライナというと日本では原発事故の悲劇的なイメージが強いですが、ウクライナは東スラヴ文化の発祥の地であり、豊かな文化を有する魅力的な国であることがわかりました。

平成30年1月2日 チッタゴン大学理学部化学科との連携協定を締結しました。

バングラデシュのチッタゴン大学理学部化学科と当研究所との研究連携協定締結式を行ないました。
締結式には、2015年まで同大学で准教授として教鞭を執っていた当研究所のイスマイル・ラハマン准教授が難波謙二所長の代理として出席しました。 締結式ではチッタゴン大学理学部化学科長のマニール・ウッディン教授が署名し、化学科のシニアプロフェッサー陣のほか、イフテカル ウッヂン チョデュリ教授(チッタゴン大学副学長)、モハメド カマルゥ フダ教授 (Registrar)、モハメド シャフィウゥ アァラム教授 (チッタゴン大学理学部長)も参列しました。この連携協定により、今後、両機関の研究者による研究交流や共同研究が活発化することが期待されます。

写真左上 協定締結式で署名した協定書を披露するマニール ウッヂン チッタゴン大学理学部化学科長(前列右から2人目)、イフテカル ウッヂン チョデュリ チッタゴン大学副学長(前列中央)、IERラハマン准教授(前列左から2人目)です。

写真右上 ラハマン准教授は、チッタゴン大学の学生向けにCareer in Science: Are you ready?と題して協定締結記念講演を行いました。

写真左下 当研究所にてラハマン准教授と難波所長が協定書を手に記念撮影を行いました。

平成29年12月22日 弘前大学被ばく医療総合研究所と連携協定を締結しました。

弘前大学被ばく医療総合研究所は、平成22年3月に設置され、被ばく医療のための人材育成と被ばく線量評価などについての基礎的研究を進めています。設置翌年に起きた、平成23年の東電福島第一原発事故では、事故直後から福島の支援活動に取り組み、地方自治体からの信頼も厚く、国内外で高い評価を受けています。
この協定締結により、弘前大学被ばく医療総合研究所が得意とする染色体異常に関する研究、放射性セシウムを含め放射性核種の環境動態や環境影響と被ばく線量に関する研究交流を進めていきます。
協定締結式の後、被ばく医療総合研究所長である山田正俊氏より、被ばく医療総合研究所の概要と福島原発事故により放出された放射性物質の海洋における動態について、記念講演が行われました。

平成29年12月14日 原町高校で模擬授業を行いました。

福島県立原町高等学校で1年生約160名にむけて、和田敏裕准教授が模擬授業を行いました。原町高校は太平洋に面する南相馬市にある学校です。和田先生は「福島県の水産業復興に向けて!~海と川との比較から見える震災後の現状と課題~(水産資源から相馬地域の環境を考える)」と題し、海面(海水魚)と内水面(淡水魚)の2部構成に分け、それぞれの特徴・違いや、福島県の水産業の現状と課題について講義しました。高校の授業よりも長い90分の授業でしたが、学生の皆さんは身近な魚の話に熱心に聞き入っている様子でした。

平成29年12月6日 IERセミナー 2017年11月

日 時 12月6日(月)13:30-15:00
発表者 Alexei Konoplev /アレクセイ コノプリョフ教授
演 題 Long-term dynamics of radionuclides in the soil-water environment: Fukushima and Chernobyl
参加人数 19人

今回のIERセミナー11月分は、延期のため12月6日開催となりました。参加者は学生2名、Web参加2名を含む19名となりました。コノプリョフ先生が、本研究所着任以来取り組んでいる新田川水系を主とした福島県相双地区の河川における放射性物質の移行に関する研究について、日本に来る前に取り組んでいたチェルノブイリでの研究と関連させながら、これからの展望も含めて発表が行われました。

平成29年11月25日 日本科学未来館(東京都)にて第5回研究活動懇談会を開催しました。

東京都の日本科学未来館にて、テーマを「福島の避難地域の野生生物のいま」とし、福島県外の市民に福島の現状を知ってもらうことを目的として、本研究所に所属する3人の教員が研究発表を行いました。今回は県外初の東京での開催となり117名の参加者がありました。
後半の参加者と発表者の意見交換の時間では、多くの手が挙がり、発表内容に関する質疑だけでなく、本研究所の活動に期待するなど参加者からの声を聞く貴重な時間となりました。終了後も、東京での継続開催を希望する声が寄せられました。

平成29年11月4日 日本生態学会東北地区会公開シンポジウムを開催。

平成29年11月4日 福島大学で、日本生態学会東北地区会公開シンポジウム「原発事故が福島の野生生物にもたらしたこと-その回復過程と今後の課題-」が、日本生態学会東北地区会の主催、環境放射能研究所の共催で開催されました。
理工学類所属で本研究所兼務教員の兼子伸吾准教授および福島大学修士1年生の藤間理央さんが「福島第一原子力発電所事故後に生じたブタからニホンイノシシ個体群への遺伝子流入」、本研究所からは石庭寛子特任助教が「放射線がアカネズミにもたらす影響~細胞レベルの評価から生態レベルへ~」、和田敏裕准教授が「原発事故に伴う魚類の放射能汚染:海水魚と淡水魚の比較」というタイトルで発表を行いました。
三連休中日の土曜日でしたが、学生を中心に約50名が参加し、講演を熱心に聞き入っていました。
シンポジウム後のコメントカードも返答率が高く、勉強になったとのコメントもあり、福島の現状を知るうえで有意義なシンポジウムとなりました。

平成29年11月2日 中部原子力懇談会で塚田教授が講演を行いました。

日 時 11月2日(木)15:00-17:00
場 所 名古屋商工会議所
講演タイトル 福島県の農業環境における放射性セシウムと作物への移行 ~福島県農産品の安全性を科学的に考える~

平成29年11月2日、中部原子力懇談会 情勢講演会「エネルギーの明日を考える」(全3回のうち2回目)にて塚田祥文教授が講演を行いました。塚田教授は長年にわたり土壌から作物への放射能の移行の研究をおこなってきました。会場には約200名が参加し、作物への放射能の移行の仕組みや福島県産品の実態などの講演に聞き入っていました。

平成29年10月30日 IERセミナー 2017年10月

日 時 10月30日(月)13:30-15:00
発表者 Vasyl Ioshchenko /ヴァシル ヨシェンコ特任教授
演 題 Progress in the forest studies of IER
参加人数 13人(うち2名ネット会議参加)

台風の影響で1週間延期して開催したIERセミナーには、他部局から1名、Web参加2名を含む13名での開催となりました。ヨシェンコ先生が本研究所で取り組んでいる日本アカマツでの研究、これから実施したい研究内容の展望について発表が行われました。

平成29年10月19日 会津学鳳中学校1年生が訪れました。

福島県立会津学鳳中学校1年生45名が来所しました。スーパーサイエンスハイスクール事業の一環で訪れ、福島県内や国外で実施している本研究所の研究活動の紹介と施設の見学を行いました。中学1年生にとっては少し難しい言葉もありましたが、真剣に聴いて学ぶ姿が印象的でした。質疑応答では、被ばくによる野生動物への影響など、積極的に質問も寄せていただきました。本研究所では、地域の学生に向けての研究紹介も行ってまいります。

平成29年10月5日 復興庁事務次官が研究所の取り組みを視察

平成29年10月5日、関復興庁事務次官に本研究所をご視察いただきました。設立当初より取り組んでいる福島県の避難区域での研究調査や本年度より開始したチェルノブイリでの国際的課題に関する国際共同研究、さらに今後の計画を中心に紹介しました。事務次官からは、引き続き研究成果を地域に還元し、住民のみなさんの安心と復興につなげてほしいと期待の言葉をいただきました。

平成29年9月25日 IERセミナー 2017年9月

日 時 9月25日(月)13:30-15:30
発表者 Thomas Hinton/トーマス ヒントン教授
演 題 On the Evolution of Radioecology....and Why We Lost Ecology Along the Way
参加人数 20人(うち1名ネット会議参加、3名創造センター)

夏休みを挟んで1か月ぶりのIERセミナーには、福島県環境創造センターから3人の参加者も加わり、20名での開催となりました。本研究所で主に取り組んでいる放射生態学の変遷について、学問を取り巻く社会的背景の歴史的推移、生態学の視点との比較などによって非専門家にとっても分かりやすく興味深い発表が行われました。本研究所らしく、各国の学術分野の事情について意見が交わされ、これからの研究について熱のこもった議論が行われました。

平成29年9月18日 韓国で開催された国際会議(APSORC17)で青山道夫特任教授が招待講演を行いました。

開催日 平成29年9月17日~22日
場所 韓国・済州島
会議 The 6th Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry (APSORC17)
講演タイトル "Long term behavior of TEPCO Fukushima NPP1 accident radiocaesium in the coastal region of Japan and the North Pacific Ocean, past and present: A review"

主催者の依頼により、福島原子力発電所事故により海洋環境に放出された放射性セシウムの海洋での挙動について、事故直後から現在まで、沿岸から太平洋全域を概観し、講演をおこなった。講演の概要はこちらを参照

平成29年9月13日 飯舘中学校3年生に模擬授業を行いました。

飯舘村立飯舘中学校第3学年33名が福島大学の見学に訪れました。環境放射能研究所では石庭特任助教が「環境放射能とはなにか、研究が進むとなにが解ってくるのか」と題し、模擬授業を行いました。分析エリアでは、電子顕微鏡で土壌粒子の画像を見ながら、ひとつの砂粒でも幾つもの層になっていることや、層の性質の違いによる放射性セシウムを吸着する強さが違うことなどを学びました。

平成29年8月23日 福島高校のサイエンスダイアログで授業を行いました。

平成29年8月23日、福島県立福島高等学校3年生約40名へ向けて、イスマイル・ラハマン准教授が授業を行いました。これは、スーパーサイエンスハイスクールの指定を受けている福島高校の取り組みの一つで、英語で最新の科学について外国籍の研究者から授業を受けるサイエンス・ダイアログというプログラムです。すべて英語での授業でしたが、授業中や授業後も、高校生から積極的に質問が寄せられ、専門的な内容もよく理解されていました。これからも、こうした若い世代へ研究について伝える活動にも取り組んでまいります。

平成29年8月6日 オープンキャンパス2017で模擬講義と研究紹介を行いました。

平成29年8月6日(日)オープンキャンパス2017で模擬講義と研究紹介を行いました
模擬講義では、塚田教授が「壌・水・作物のどこに放射性セシウムはあるの?」、脇山講師が「と土砂と放射性セシウムの動き」と題し、授業を行いました。

研究紹介では、高瀬特任准教授と石庭特任助教が、実際に機器を用いての観察や測定、パネルを使っての説明を行いました。

研究内容を説明する高瀬特任准教授(左)
実体顕微鏡で観察を指導する石庭特任助教(中央)
電気誘導装置 DNAやタンパク質を分離する
イノシシの筋肉とDNA
ピペット 最小で0.2μL吸入できる
アカネズミの頭骨 歯から年齢を推測する

平成29年7月29日 アクアマリンふくしまにて第4回環境放射能研究所研究活動懇談会を開催しました。

平成29年7月29日、環境放射能研究所研究活動懇談会をアクアマリンふくしまにて開催しました。
第4回となる今回はサブタイトル「海域の放射能汚染:これまでとこれから ~福島県の漁業復興に向けて~」とし、本研究所からだけでなく、震災後に研究に取り組んでいる、福島県水産試験場、東京海洋大学、中央水産研究所、ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)より、それぞれの専門分野におけるふくしまの海について報告、発表を行いました。
研究者報告の後は発表者と会場との意見交換を行い、発表内容に関する疑問や今後、知りたい調査内容についてのコメントなど、活発な議論が交わされました。
これからも、この会を各地で開催いたしますので、お近くにお越しの際は、お立ち寄りください。

平成29年7月26日 田野瀬太道文部科学大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官がSATREPSプロジェクトを視察。

平成29年7月26日、田野瀬太道文部科学大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官に、本研究所がウクライナで取り組んでいるSATREPSプロジェクトをご視察いただきました。チェルノブイリ原発事故30年以上の経過後も、課題が収束しない現地において、立入禁止区域内にある原発冷却水供給源であったクーリングポンド、10km圏内の森であるレッドフォレストの現状と福島との比較も含め、研究プロジェクトの意義について説明を行いました。

レッドフォレスト近くの高線量地区にて 左:田野瀬政務官、右:五十嵐研究員

平成29年7月24日 IERセミナー 2017年7月

日 時 7月24日(月)13:30-15:30
発表者 青山道夫特任教授
演 題 Fukushima radionuclides in the marine environment from coastal region of Japan to the Pacific Ocean through the end of 2016 and IAEA CRP K41017
参加人数 12人。学生(コロラド州立大学、ポーツマス大学)参加

今年度2回目のIERセミナーには夏季期間、福島に滞在して研究活動を行っているコロラド州立大学、ポーツマス大学からの学生も多く参加しました。そのため、2011年3月の福島での原子力事故について、またそれ以前からの海洋環境における放射性物質の長期的な挙動の学術的研究の歴史概要にも触れ、青山先生の最新の研究成果についての発表が行われました。海外からの出席者にとっても、興味深い地球規模の研究について、質問が多く上げられました。

平成29年7月19日 海外の大学院生による研究成果発表を行いました。

5月から約2か月、イギリスとアメリカの3大学(ポーツマス大学、ジョージア大学、コロラド州立大学)から8名の大学院生が来日し、環境放射能研究所で研究活動を行っています。それぞれの研究テーマに沿って研究指導を行った本研究所の研究者が見守る中、多岐に渡る環境放射能研究の成果発表会を行いました。彼らの研究生活をボランティアで支えてくれた福島大学の学部生も駆けつけ、約30名が参加しました。

平成29年7月7日 ICRP、IAEA、福島県立医科大学と研究交流を行いました。

ICRP(国際放射線防護委員会)から13名、IAEA(国際原子力機関)から2名と福島県立医科大学から3名が来所され、研究交流会を行いました。難波所長より本研究所の概要および研究活動紹介の後、福島県内の水環境おける放射性セシウムの動態について脇山講師、大気における放射性核種動態について平尾講師、環境中の放射性物質の分布と挙動解明のための存在形態分析についてラハマン准教授が発表を行い、最後にゼレズニャク教授より進行中の福島とチェルノブイリの共同研究について報告をしました。多くの質問が飛び交い、有意義な研究交流の場となりました。

平成29年7月5日 平成29年度学長学術研究表彰受賞記念講演にて和田准教授が講演を行いました。

福島大学では、研究者を対象とする表彰制度として「学長学術研究表彰」を制定し、先進的又は独創的な研究を実施している研究者等の特筆すべき研究成果をたたえるとともに、その研究成果と研究内容を学内外に広めることにより、本学教員の研究意欲の向上、更なる研究の活性化及び科研費や共同研究費などの外部研究資金の獲得の推進に取り組んでおります。

日 時 平成29年7月5日(水)13時30分~16時00分
場 所 福島大学 経済経営学類大会議
講演テーマ 「魚類の生態特性に応じた放射性セシウム汚染実態の解明 ~福島県の漁業再開に向けて~」
和田敏裕准教授

平成29年6月26日 IERセミナー 2017年6月

日 時 6月26日(月)15:00-16:00
発表者 五十嵐康記研究員
演 題 Evaluation of radionuclide dynamics for re-zoning of ChEZ by establishing monitoring and modelling methodology
参加人数 15名

今年度第一回目のIERセミナーを、本棟で初めて開催しました。今年度4月から本研究所メンバーに加わった五十嵐研究員によるもので、最初に本研究所に来る前に取り組んでいた東南アジアの熱帯落葉樹林隊における熱、水、炭素循環の研究について発表を行いました。後半は、4月から取り組んでいるチェルノブイリでの研究について現状とこれからの計画について報告されました。IERのメンバーのほとんどが参加しているウクライナとの共同研究プロジェクト内容については、研究経過に詳しいウクライナ、ロシアの研究者から盛んに質問や意見があげられ、ポーツマス大学、コロラド州立大学から客員研究員として滞在中のメンバーも加わって活発な議論が交わされました。

平成29年6月18日 福島大学環境放射能研究所「施設見学会および研究紹介」を行いました。

先日竣工した環境放射能研究所で、主に福島大学近くにお住まいの方を対象に「施設見学会および研究紹介」を行いました。本研究所は住民の皆様のご協力のもとで研究活動を行っており、皆様に研究内容を知っていただきたく開催しました。今回約70名に参加いただき、研究員2名による講演と施設内の見学を行いました。

日 時 平成29年6月18日(日)10時~12時
場 所 福島大学環境放射能研究所 6階大会議室
研究紹介 「福島の野生生物への放射線量と健康影響に関する研究」
  トーマス・ヒントン 教授
「2011年の東電福島第一原発事故後の農業環境における放射性セシウムと内部被ばくについて」
 塚田 祥文 教授

平成29年6月16日 研究所本棟竣工式を行いました。

平成29年6月16日、研究所本棟竣工式を行いました。研究室・実験室の整備により、これまで以上に連携機関や共同研究機関との研究をより活発に進めることができるようになり、その成果が期待できます。
福島及び日本そして世界に貢献し、環境放射能の国際的先端研究拠点として発展できるよう、引き続き努力していく所存です。

平成29年6月5日 和田准教授が平成29年度学長表彰を受彰しました。

平成29年度学長学術研究表彰の表彰式が行われました。環境放射能研究所から和田敏裕准教授が受彰されました。受賞理由は以下のとおりです。

【業績名】
魚類の生態特性に応じた放射性セシウム汚染実態の解明:福島県の漁業再開に向けて(平成27年度日本水産学会水産学奨励賞受賞)

【業績内容】
本賞は、研究に精進し、将来の発展が期待される40歳未満の研究者に対して授与されるものである。受賞者の論文においては、栽培漁業対象種として重要な希少カレイ類の生態研究を精力的に実施し、栽培漁業技術の開発、向上に大きく貢献した点や、岩手県宮古湾をモデル海域として本種の好適放流手法を確立し、種苗放流の有効性を明確に示すなど、国際的にも高い評価を受けている。また、原発事故以降、福島県沖で採捕されたカレイ類を含む魚介類の放射性セシウム濃度が着実に低下している実態を示すなど、福島県や東北海域の漁業復興に大きく貢献した点が評価された。本受賞は奨励賞表彰に値し、今後より一層の活躍が期待される。

平成29年5月29日 国際協力研究プロジェクト『チェルノブイリ災害後の環境管理支援技術の確立』キックオフミーティングを開催しました。

福島大学環境放射能研究所が代表研究機関として本年度から開始する、国際協力研究プロジェクトのキックオフミーティングを、ウクライナ国キエフ市において開催しました。日本、ウクライナ両国の研究者、関係者が一堂に会し、本プロジェクトの取り組みをウクライナ国内に向け発信しました。
この事業は、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development)の環境・エネルギー部門 平成28年度(2016年度)採択事業です。

●日時:2017年5月29日
●場所:ウクライナ環境・天然資源省(ウクライナ国キエフ市)

主な出席者
・ウクライナ環境・天然資源省大臣 オスタプ・セメラーク氏
・ウクライナ環境・天然資源省立入禁止区域管理庁長長官 ヴィタリー・ペトルーク氏
・ウクライナ駐箚日本国特命全権大使 角 茂樹氏
・福島大学理事・副学長 小沢喜仁
・福島大学環境放射能研究所長 難波謙二
・科学技術振興機構(JST) 中静 透
・国際協力機構(JICA) 吉田早苗
・Vyacheslav Shestpalov : Presidium Advisor of NAS Ukraine
・Serhii Kiriev : Director of Ecocenter, Chernobyl

平成29年5月29日 UNSCEAR第64回年次総会サイドイベントにて招待講演を行いました。

塚田祥文副所長は、オーストリア国ウィーンで開催された「2017年UNSCEAR第64回年次総会」サイドイベントにて招待講演を行いました。2011年東京電力福島第一原子力発電所事故後の福島の農業環境における放射性セシウムと飲食物による内部被ばく線量について、講演を行いました。

平成29年5月23日 foRプロジェクト交付式が行われました。

福島大学では、「『21世紀的課題』が加速された福島での課題」の解決に結びつく研究を重点研究分野として指定し、研究費を重点配分する「foRプロジェクト」を実施しています。本年度は審査会を経て、3件の研究プロジェクトが指定され、そのうちの一つとして本研究所のヒントン教授を代表とする【原発周辺地域における放射線被ばくが野生生物に与える影響の解明】が選ばれました。foRプロジェクトの指定を受けたことで、さらなる研究成果を目指して、活動してまいります。

タイトル:原発周辺地域における放射線被ばくが野生生物に与える影響の解明
研究代表者:トーマス・ヒントン
共同研究者:難波謙二、和田敏裕、石庭寛子

平成29年4月25日~27日 ベルギーのブルージュでCOMETプロジェクトの最終ミーティングが行われました。

COMETは、COordination and iMplementation of a pan-Europe instrumenT for radioecologyの頭文字で、ヨーロッパを中心とした放射生態学のプロジェクトです。福島大学もメンバーとして参加しています。
塚田教授が「Fukushima Radioecological Observatory in Yamakiya」のタイトルで、川俣町山木屋地区の観測サイトの結果について報告しました。

また、和田准教授が「Spatiotemporal changes of radiocesium concentrations in marine fishes in Fukushima」のタイトルで、福島沖の海産魚類の放射性セシウム濃度の時空間分布と沿岸漁業の復興状況について報告しました。

このほか、以下3題のポスター発表を行いました。
塚田教授「Fukushima COMET Workshop in Iizaka, Fukushima」
青山教授「Long term behavior of TEPCO Fukushima NPP1accident derived radiocaesium in the coastal region of Japan and the North Pacific Ocean through the end of 2016: A review」
和田准教授「Radiocesium concentrations in freshwater fishes inhabiting ponds near the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant」

本プロジェクトは今回で終了しますが、今後も福島の長期的な観測が重要であることを多くの研究者が指摘していました。

ブルージュは水路に囲まれた美しい都市。今後の共同研究関する打合せも行い、有意義なミーティングとなった。

平成29年5月8日 ポーツマス大学から研究員が来所しました。

ポーツマス大学からAdélaïde Lerebours氏とMartin Devonshire氏が来所しました。約2週間程、和田准教授と共同研究を行います。


(左から)和田准教授、Devonshire氏、Lerebours氏

平成29年4月25日 スラブチッチ市創設30周年記念イベントで講演を行いました。

ウクライナ国スラブチッチ市創設30周年記念イベント「原子炉廃炉及び環境復興に関する国際会議『INUDECO』」にて、マーク・ジェレズニヤク特任教授が、チェルノブイリと福島の原発事故の研究成果及び今後の取り組みについて、内村等事務室長が震災及び原発事故後の福島県の復興状況について講演を行いました。

平成29年4月14日 IER Openセミナー「福島原発事故後の環境回復に向けた新技術の開発」

東電福島原発事故後、日本原子力研究開発機構と共同で福島の環境回復に関する研究を進めてきた米国ローレンス・バークレー研究所の村上(Wainwright)治子氏によるセミナーを開催しました。
講師:村上治子先生(米国ローレンスバークレー研究所)
日時:平成29年(2017年)4月14日 13:30から
場所:福島大学共生システム理工学類募金記念棟会議室