令和7年8月25日、第2回IERセミナーを開催しました。<脇山先生、ジェレズニヤク先生>
日時 | 2025年8月25日(月)13:30~14:30 |
場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom) |
発表者 | 脇山義史准教授 マーク・ジェレズニヤク客員教授 (発表順) |
演題 | 新田川における増水時の河川中での129I動態(脇山) Radionuclide Transport Models for Rivers and Coastal Seas(ジェレズニヤク) |
参加人数 | 22名 |
環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。
8月25日(月)に開催した令和7年度の第2回IERセミナーでは、脇山義史准教授、マーク・ジェレズニヤク客員教授が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら22名が参加しました。
脇山義史准教授は、新田川における河川水のヨウ素129濃度変動と流出量について発表しました。2016年、2017年で観測された降雨イベントにより増水した河川から採取した水試料129I濃度を測定し、既往研究との比較を行いました。新田川では阿武隈川に比べて、河川水の129I濃度が比較的高いこと、増水時に主に懸濁態として移動していることなどが報告されました。
マーク・ジェレズニヤク客員教授は、2024年~2025年における河川および沿岸海域の放射性核種輸送モデルに関する研究について説明しました。これらのモデルは意思決定支援システムに統合され、原子力事故への備えのための緊急対応拠点で、原子力施設における潜在的な事故の結果を予測するために活用されます。教授は、チョルノービリおよび福島で検証された放射性核種モデルを、オープンソースのWRF-Hydroモデル(米国)やWFLOWモデル(オランダDeltares社)といった先進的で、物理ベースの分散型水文モデルと統合する動きについて強調しました。また、放射性核種輸送モデルをWRF-HydroおよびWFLOWと結合させるための、日本(IERおよび日宇SVIT合同会社)、ウクライナ(IMMSP)、ポーランド(NCBJ)の研究者による初期共同研究の取り組みについても述べました。
各発表後には、IER教授陣から様々な質問やコメントが挙がりました。


