令和5年12月25日  第8回IERセミナーを開催しました。<石庭特任講師、ヨシェンコ教授>

日時2023年12月25日(月) 13:30~14:30
場所環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom)
発表者石庭 寛子 特任講師
ヴァシル・ヨシェンコ 教授
(発表順)
演題・ヨーロッパヤチネズミの二動原体染色体解析のためのFISHプローブ開発(石庭)
・IERの森林研究の進展(ヨシェンコ)

環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。

12月25日(月)に開催した令和5年度の第8回IERセミナーでは、石庭寛子特任講師、ヴァシル・ヨシェンコ教授が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら25名が参加しました。

石庭特任講師は、ヨーロッパヤチネズミの二動原体染色体解析を行うために実施しているFISHプローブの開発について発表しました。放射線によって染色体の形態異常が被ばく線量に依存して増加しますが、その形態異常の判断には高度な専門知識と経験が必要です。そのような人材は限られているため解析には長い時間を要します。野生動物を対象とする研究者人口はさらに少なくなります。そこで、蛍光色素(FISHプローブ)での染色によって経験の浅い研究者でも簡便にかつ時短で解析ができる手法の確立に取り組んでいます。昨年研修のためにウクライナから来日したオレナ・ブルドー博士とともにヨーロッパヤチネズミとその近縁種のFISHプローブを開発した成果と今後の課題について発表しました。

ヨシェンコ教授は、「IERの森林研究の進展」と題して、2つのパートからなる発表を行いました。最初に、チョルノービリの「赤い森」におけるヨーロッパアカマツのバイオマス中のストロンチウム90蓄積量の長期的変化に関する実験データを発表し、ストロンチウム90の動態予測精度に影響を与える要因について議論しました。ストロンチウム90の非常に高い生物学的利用能と、その根からの取り込みが現地条件に大きく依存することを示しました。2つ目のパートでは、異なるレベルの慢性放射線に被曝した福島とチョルノービリのマツの個体群における全ゲノムメチル化の研究結果を分析し、異なる生物学的複雑性のレベルでマツに生じた放射線誘発の変化を明らかにした過去の結果を参照しました。

各発表後には、IER教授陣から様々な質問やコメントが挙がりました。

石庭特任講師が発表している様子
ヨシェンコ教授が発表している様子
ヨシェンコ教授が発表している様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子