令和5年3月15日 マーク・ ジェレズニヤク先生の最終講義を開催しました。

日時2023年3月15日(水)17:00 – 17:45
場所環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom)
講師マーク・ ジェレズニヤク先生
講義タイトルBack to: 50年間の河川・海岸のモデリング研究— 2つの大きな原発事故と1つの戦争への対応 To the Future: そしてこれからの課題

本年度をもって退任されるマーク・ジェレズニヤク先生の最終講義を開催しました。先生の退職を記念する本講義には、福島大学の研究者や学生だけではなく、海外の共同研究機関からもオンライン参加があり約50名が参加しました。

ジェレズニヤク先生は、ウクライナ科学アカデミー(ASU)で水環境学の研究者としての活動を開始、チョルノービリ事故後にASUが設立したタスクフォースを率いてウクライナの河川における放射能汚染のモデリングと予測、水質汚染軽減対策の正当性評価等に従事しました。ASUの環境モデリング部門長として指揮を執り、1987年から1992年に実施した洪水期の放射能汚染予測等の研究活動にはウクライナ国家科学技術賞が授与されました。欧州委員会(EC)の意思決定支援システム「RODOS」および国際原子力機関(IAEA)のプログラムにおけるモデルの開発や検証に携わりました。

2013年11月に本研究所の特任教授として着任し、2015年には教授として福島県の河川や貯水池におけるセシウム137の動態や数理モデリングの研究を行ってきました。SATREPSチョルノービリプロジェクトでは、モデル予測のみならず、13のウクライナ側研究機関との調整に尽力し、プロジェクトを成功に導きました。 ジェレズニヤク先生が被曝防護のための環境放射能研究に捧げた研究者人生を振り返り、その情熱が伝わる素晴らしい講義となりました。そして、最後は、チョルノービリ原発事故から30年来の友人で着任時に同じ飛行機で来日したアレクセイ・コノプリョフ特任教授(副所長)からのメッセージで締めくくりました。