IER特別セミナーを開催しました<井上睦夫博士>(2026年3月27日)

日時2026年3月27日(金)11:00~12:00
場所環境放射能研究所本棟6F大会議室
外部講師井上睦夫博士(金沢大学環日本海域環境研究センター准教授)
演題加賀藩文化遺産と低バックグラウンドγ線測定
参加人数11名

2026年3月27日(金)、金沢大学環日本海域環境研究センターから井上睦夫博士をお招きし、IER特別セミナーを開催しました。当日は、福島大学の研究者や大学院生など11名が参加しました。

井上博士は、加賀藩の文化遺産を活用した低バックグラウンドγ線測定について発表しました。金沢大学では、加賀藩家老の家柄である横山家が関わった尾小屋鉱山の跡地を地下測定室として利用し、ラドンガスや宇宙線の影響を抑えた低バックグラウンド環境を構築しています。また、ゲルマニウム検出器を囲む遮蔽材には、江戸時代に金沢城で使われていた鉛瓦を再利用しています。通常の鉛には天然放射性核種210Pbが含まれており、低レベル放射能測定の妨げとなります。しかし、210Pbの半減期は22.3年であるため、江戸時代に精製された鉛には210Pbがほとんど残存しておらず、これほど遮蔽材として適した鉛はほかにないということです。さらに、太平洋戦争時の戦艦陸奥の鉄や、重晶石から分離した天然のバリウムなども低レベル放射能測定に活用されている事例を挙げ、博士らの研究は単に最新の科学技術の進歩ではなく、さまざまな歴史的遺産によって支えられていると述べました。

発表後には、参加者からさまざまな質問やコメントが挙がりました。

井上博士と司会の髙田先生
井上博士が発表している様子
井上博士が発表している様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子
セミナーのチラシ