第8回IERセミナーを開催しました<大学院生>(2026年1月19日)

日時2026年1月19日(月)13:30~14:30
場所環境放射能研究所本棟6F大会議室 / オンライン(Zoom)
発表者アビジット・バルア(共生システム理工学研究科 環境放射能学専攻 博士後期課程1年)
ソン・ジョカン(共生システム理工学研究科 環境放射能学専攻 博士前期課程1年)
(発表順)
演題廃水処理のための二元系複合フェライトの合成と特性評価(バルア)
日本のアカマツ林におけるTag(m2/kg)を用いたCs-137経根吸収の定量評価(ソン)
参加人数20名

環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。

1月19日(月)に開催した令和7年度の第8回IERセミナーでは、環境放射能学専攻の博士後期課程1年生1名と博士前期課程1年生1名が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら20名が参加しました。

ラハマン研究室のバルアさんは、一般式AB2O4で表される二元系スピネルフェライトは磁性を有する複合金属酸化物であり、AサイトとBサイトがそれぞれ二価(Co²⁺、Ni²⁺、Zn²⁺、またはMn²⁺)および三価(Fe³⁺)の金属イオンによって占有されていると説明しました。これらの材料は、従来の廃水用吸着剤に代わる効率的かつ持続可能な代替材料として広く認識されています。本研究では、MgFe₂O₄格子にCuとMnを組み込むことにより、自己燃焼法を用いて2つの新しい混合二元系フェライトCu0.5Mg0.5Fe2O4およびMn0.5Mg0.5Fe2O4を合成しました。相形成と結晶性はXRDによって確認し、元素組成と官能基はEDXとFTIRによって分析しました。また、表面形態をSEMで観察し、磁気特性をSQUIDで評価した後、混合水溶液系における金属イオン分離性能を評価しました。

ヨシェンコ研究室のソンさんは、日本のアカマツ林における面移行係数(Tag: aggregated transfer factor)(m2/kg)を用いたCs-137経根吸収の定量評価について発表しました。本発表では、濃度型指標Tag(m²/kg)を用いて森林土壌―アカマツ系のCs-137経根吸収を評価するパイロット的ワークフローを示しました。0~30 cmの土壌コアを分層し(0~5 cmは1 cmごと、5~30 cmは5 cmごと)、事故後に生育したマツ1個体を部位別(内樹皮・外樹皮・幹材・若枝・老枝・新針葉)に分割してHPGeで測定しました。土壌は表層集積が顕著であり、4~5 cm層でピークの24,246 Bq/kgに達し、25~30 cm層では21.61 Bq/kgまで減少しました。内径5 cmのコアを用いると、0~30 cmの土壌インベントリは8.47×10⁵ Bq/m²でした。各部位のTagはCplant(Bq/kg)/Isoil(Bq/m²)として算出し、内樹皮(4.55×10⁻⁴ m²/kg)と新針葉(2.76×10⁻⁴ m²/kg)が最も高くなりました。今後は交換態Cs等を加え、相関性の確認を進める予定です。

各発表後には、参加者からさまざまな質問やコメントが挙がりました。

バルアさんが発表している様子
ソンさんが発表している様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子
質疑応答の様子