令和7年6月30日 第1回IERセミナーを開催しました。<グシエフ先生、高田先生>
日時 | 2025年6月30日(月)13:30~14:30 |
場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom) |
発表者 | マキシム・グシエフ特任准教授 高田兵衛教授 (発表順) |
演題 | Numerical ocean modeling of anthropogenic tritium discharge from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP) site under present and future climates(グシエフ) 日本沿岸の河川から河口にかけての微量元素動態(高田) |
参加人数 | 26名 |
環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。
6月30日(月)に開催した令和7年度の第1回IERセミナーでは、マキシム・グシエフ特任准教授、高田兵衛教授が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら26名が参加しました。
グシエフ特任准教授は、新たに論文発表された福島第一原子力発電所(FDNPP)からの放出に伴う人為起源トリチウム濃度に関する海洋モデリング研究(東京大学生産技術研究所との共同研究)について紹介しました。研究では、全球海洋大循環モデルCOCO4.9を用いて、2011年3月~2019年のFDNPP事故由来のトリチウム流出および2023年8月~2050年のALPS処理水の計画放出に伴う人為起源トリチウム移流をシミュレーションしました。COCO4.9での気候変動については、SSP5–8.5気候シナリオにおける最大レベルの二酸化炭素排出量を適用し、期間を2099年まで延長してシミュレーションしました。その結果、2099年までの過去および遠未来の気候において、海洋中のトリチウム濃度に対する人為起源トリチウム放出の影響が無視できるほど小さいことが示されました。
参加者は、半減期12.32年のトリチウム放射性核種のシミュレーション入力など、全球海洋トリチウムモデルの技術的詳細を確認しました。
高田教授は、日本沿岸の河川から河口にかけての微量元素動態について発表しました。
各発表後には、IER教授陣から様々な質問やコメントが挙がりました。


