IAEA講義(IER特別セミナー)を開催しました(2026年7月13日)
| 日時 | 2026年7月13日(月)13:00~14:30 |
| 場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室 / オンライン(Zoom) |
| 講義プログラム 1. 「東京電力(TEPCO)第一原子力発電所事故後の復興に向けた福島県とIAEAの協力」 ミロスラフ・ピナック氏(Head of the Radiation Safety and Monitoring Section, IAEA) 2. 「福島県の環境モニタリングと修復措置に関するIAEA環境基準および国際的な経験との比較によるその有効性」 ゲルハルト・プロール氏(Expert, IAEA) 3. 「放射性廃棄物管理」 ジェラルド・ブルーノ氏(Head of the Radioactive Waste & Spent Fuel Management Unit, IAEA) 4. 「食品と飲料水の潜在的な健康リスク」 マティアス・ラデマン氏(Expert, IAEA) 5. 質疑応答 | |
| 言語 | 英語(質疑応答のみ逐次通訳あり) |
| 参加人数 | 33名 |
| 司会進行 | 難波謙二教授(IER所長) |
2026年7月13日(月)、国際原子力機関(IAEA)の専門家であるミロスラフ・ピナック氏、ゲルハルト・プロール氏、ジェラルド・ブルーノ氏、マティアス・ラデマン氏を講師としてお迎えし、IAEA講義(IER特別セミナー)を開催しました。当日はオンライン聴講を含め、研究者や大学院生ら33名が参加しました。本講義は、IAEAと福島県との協定に基づいてIAEAの専門家が県内大学等で行う一連の講義のひとつとして、IERで行われました。
司会進行を務める難波所長の挨拶の後、ピナック氏は福島第一原発事故後に進められてきた福島県とIAEAの協力事業について紹介しました。また、放射線モニタリング、除染、放射性廃棄物管理などに関する国際的な知見共有の意義を解説し、地域復興を支える国際連携の全体像を示しました。
プロール氏は、IAEAの安全基準に基づく環境モニタリングの役割と事故後の放射線対策の有効性について取り上げました。除染については、陸上環境では効果が認められる一方、水系では流水の動的な特性から作業が困難であることに言及しました。また、モニタリング結果や自然減衰を考慮した長期的な判断を踏まえ、現場の状況や特性に応じた対策を選択することが重要であると述べました。
ブルーノ氏は、放射性廃棄物管理の基本原則を整理したうえで、事故後に発生した大量の除染廃棄物への対応について説明しました。廃棄物の分類ごとの管理戦略、減容化や再利用、中間貯蔵から県外最終処分へ至る流れを示し、事故後の廃棄物管理の課題を具体的に伝えました。
最後に登壇したラデマン氏は、公衆衛生の観点から、食品経由の内部被ばくが極めて低く抑えられていることや、福島事故による一般公衆への健康影響は確認されていないことなどについて解説しました。一方で、風評被害や心理的影響への対応は今後も重要な課題であり、正確な情報発信とコミュニケーションを通じた信頼構築が不可欠であると結びました。
講義の後にはIERの研究者との間で活発な議論が行われました。今年度はこのあと11月にもIAEA講義を実施する方向で調整中です。次回はリスクコミュニケーションについて取り上げていただく予定です。





