第9回IERセミナーを開催しました<ラハマン教授、難波教授、パブレンコ研究員>(2026年1月26日)
| 日時 | 2026年1月26日(月)13:30~15:00 |
| 場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室 / オンライン(Zoom) |
| 発表者 | ラハマン イスマイル教授 難波謙二教授 ポリーナ・パブレンコ研究員(プロジェクト) (発表順) |
| 演題 | 木炭・セラミックス複合材を用いた放射性核種汚染水の減容化(フェーズII:プロセスの最適化と応用)(ラハマン) 浜通りにおける養蜂とオオスズメバチ(難波) ウグイ(Pseudaspius hakonensis)の137Cs同化効率低減に対するプルシアンブルー飼料添加物および水塩分濃度の効果(パブレンコ) |
| 参加人数 | 27名 |
環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。
1月26日(月)に開催した令和7年度の第9回IERセミナーでは、ラハマン イスマイル教授、難波謙二教授、ポリーナ・パブレンコ研究員が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら27名が参加しました。
ラハマン教授は、「木炭・セラミックス複合材を用いた放射性核種汚染水の減容化(フェーズII:プロセスの最適化と応用)」と題して、地元産のスギまたはヒノキの木炭にセラミックスをコーティングした吸着剤の最適化について説明しました。本研究の重要な知見は、特定の「洗浄」プロトコル(4サイクルが最適)によって吸着阻害イオンが除去され、性能が大幅に向上した点です。この吸着剤は、福島第一原子力発電所の帰還困難区域内にある大熊町の鈴内ため池から採取した実際の汚染水を用いてテストした結果、137Csに対して約99%の保持率を示し、放射能汚染水を処理するための低コストで効果的な解決策であることが証明されました。
難波教授は、浜通りで捕獲したオオスズメバチ(Vespa mandarinia)の137Cs分析について発表しました。2023年および2024年に、フランスの研究者と共同で、浜通りの帰還困難区域4地点および非避難指示区域2地点において実験養蜂を実施しています。オオスズメバチはセイヨウミツバチの養蜂に壊滅的な被害を与えることから、さまざまな防除対策が考案されています。本研究においても、トラップによる対策に加え、2週間に1回程度の内検時に各サイトで約1時間捕獲しました。オオスズメバチの索餌範囲は巣から約2 kmとされていますが、捕獲個体ごとの炭素・窒素安定同位体比の解析から、1つの養蜂サイトに複数の巣に由来する個体が来訪している可能性が示唆されました。さらに、個体ごとの137Cs濃度と数km圏内における不均質な137Cs沈着分布のマッピングを組み合わせることで、オオスズメバチの巣の位置を推定できる可能性が示されました。
パブレンコ研究員は、ウグイの137Cs生物濃縮低減に対するプルシアンブルー飼料添加物および水塩分濃度の効果に関する研究を発表しました。本研究では、成長希釈を考慮した動態モデルを用いて、さまざまな処理が同化効率および排出速度にどのような影響を与えるかを評価しました。本発表では、プルシアンブルーが飼料からの放射性セシウムの同化を大幅に抑制する一方、塩分濃度の上昇によって放射性セシウムの取り込みが減少し、その排出が著しく促進されることを示しました。最後に、筋肉組織における放射性セシウムの割合が時間の経過とともに増加することについて詳しく説明しました。これは、筋肉組織では137Csがより長く保持される一方、体の他の部位では137Csの排出速度が著しく速いためです。
各発表後には、参加者からさまざまな質問やコメントが挙がりました。





