設置目的

  • 福島大学に新しく設置された本研究所は、広く世界に開かれ、その英知を結集した環境放射能調査の先端研究拠点となることを目指して、福島の森林、河川、湖沼、海および大気をフィールドとして調査研究を行うとともに、その知見に基づき、モデリングや計測機器の開発、標準資料の作成などを行う。

主な事業

  • 環境中の放射性物質の長期的動態調査
  • 環境中の放射線や放射性物質を測定するための測定原理などの技術開発
  • 環境中の放射線物質が食物連鎖を通じて動物に移行するメカニズムの解明
  • 放射性核種が気象現象等により存在形態が変化し移行するメカニズムの解明
  • 環境復旧対策支援にかかるシンクタンク機能
  • 資料・試料の保管と研究手法及び研究対象物のアーカイブ

研究所の運営

  • 研究連携推進会議
  • 放射能研究に見識のある連携研究機関の協力に基づく運営と、関連学術コミュニティからの強力な支援。

組織と5部門

  • 組織図
    放射能形態学部門
    1 放射能分析標準学 放射性物質の化学的特性の分析手法を開発する。また,試料採取法や環境由来の多様な試料媒体(マトリクス)の正確な測定法の開発と,国際標準化を行う。 
    2 存在形態放射化学 放射性物質の移行に伴う化学的ならびに物理化学的形態を分析する。
    放射能地球科学部門
    3 放射能大気科学 大気を通じた放射性物質の移行を解明する。
    4 放射能陸域循環学 陸域の水循環に伴う放射性物質の移行を解明する。
    5 放射能海洋循環学 海洋の流動に伴う放射性物質の移行を解明する。
    6 放射能水文学 水文学的現象に伴う河川・湖沼や地下水での放射性物質の陸域からの移行を解明する。
    放射生態学部門
    7 放射能森林科学 森林生態系の放射性物質の循環のプロセス研究を行う。
    8 陸水放射生態学 陸水圏における放射性物質の生物への移行を解明する。
    9 放射能土壌植物学 土壌並びに植物等への放射性物質の移行を解明する。
    10 放射能植物影響学 放射能の微生物・藻類・植物に与える生物学的影響を解明する。
    11 野生動物放射線影響学 放射線の野生動物に与える生物学的影響を解明する。
    放射能計測予測部門
    12 環境線量モデル科学 計算機シミュレーション等により放射性物質の移動ならびに環境線量を評価・予測する。
    13 計測システム開発学 放射線モニタリングシステム,放射線測定システムに関する技術開発を行う。
    14 メカトロニクスシステム開発学 人が直接実施することが困難な場所でのサンプリングや遠隔操作に関するメカトロニクス機器の開発を行う。
    連携研究部門
    15 データアーカイブ・分析学 本研究所並びに世界各国機関の研究成果,資料・試料などを整理・保管・発掘・分析するとともに,世界各国の研究者の求めに応じて,資料・試料の提供なども行う。