令和7年3月18日 塚田祥文教授、アレクセイ・コノプリョフ特任教授の最終講義を開催しました。
日時 | 2025年3月18日(火)13:30~16:30 |
場所 | 環境放射能研究所本棟6F大会議室/オンライン(Zoom) |
講師 | 塚田祥文教授 アレクセイ・コノプリョフ特任教授(副所長) (発表順) |
講義タイトル | 地球化学から環境放射生態学-存在形態と比放射能を活用した環境放射能の動態解釈-(塚田) 科学者の道:上層大気からチョルノービリを経て福島へ(コノプリョフ) |
本年度をもって退任される塚田祥文教授、アレクセイ・コノプリョフ特任教授による最終講義が開催され、会場参加の研究者、大学院生、OB、一般、教職員の約80名に加え、オンラインでも約90名の方が聴講されました。
塚田教授は、北海道大学水産学部を卒業後、環境科学技術研究所で環境放射生態学の研鑽を積まれ、2001年には東北大学大学院農学研究科で博士(農学)の学位を取得されました。2014年4月に本研究所の教授として着任し、本学の大学院において教壇に立たれる傍ら環境放射能研究所長を務める等、研究所運営にも貢献されました。
「地球科学から環境放射生態学」と題した最終講義では、これまでの研究の成果を語られるとともに、作物中放射性濃度の予測の重要性など新たな研究アプローチについてお話しいただきました。
福島の農業再生に尽力された塚田先生の熱意に触れることのできる豊かな時間となりました。
コノプリョフ特任教授は、モスクワ大学化学部を卒業後、当時、環境モニタリング分野をリードする研究所の一つだったResearch Production Association “Typhoon”という機関で36年間にわたり勤務されました。1983年にPh.D. in Chemistry(化学博士、ロシアにおけるカンディダート学位、日本の博士号に相当)を取得され、その後の研究業績に基づき1998年にDoctor of Science in Radiobiology(放射生物学博士、ロシアにおけるドクトル学位)を取得されました。2013年11月に本研究所の特任教授として着任し、本学の大学院において院生の指導にあたられるとともに、教授、環境放射能研究所副所長などを歴任されました。
「科学者の道:上層大気からチョルノービリを経て福島へ」と題した最終講義では、これまでの研究の歩みを振り返られるとともに、福島の放射性セシウムは土壌や堆積物に強く結合しているために、植物と生物相による生物学的利用性は比較的低いなど福島での研究成果について語りました。
講義後の質疑応答では、来場者と回答者の先生との間に自然と笑みが広がり、会場は温かい雰囲気に包まれました。
夜には場所を移して祝賀会が開催され、皆さんとの会話も進み、和やかな時間を共有することができました。
長年にわたり教育と研究に尽力された塚田教授、コノプリョフ特任教授に、心から感謝申し上げます。
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![]() 塚田先生と来聴いただきました皆さんで集合写真を撮影 | |
![]() コノプリョフ先生と来聴いただきました皆さんで集合写真を撮影 | |
![]() 塚田先生、コノプリョフ先生とご退官記念祝賀会にご参加いただきました皆さんで集合写真を撮影 |