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IER活動記

令和4年度

令和4年10月31日 第6回IERセミナー を開催しました。
<平尾准教授、塚田教授、脇山准教授>

日 時: 2022年10月31日(月)14:00~15:30
発表者: 平尾茂一准教授
塚田祥文教授
脇山義史准教授
(発表順)
演 題: Investigation of atmospheric HTO concentration in Okuma(平尾)
Activity concentrations of 129I and 137Cs in crops and internal radiation exposure from foods(塚田)
Particulate 137Cs dynamics in the Niida river basin: impacts of decontamination(脇山)
平尾准教授 平尾准教授

環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。

10月31日に開催された令和4年度第6回目のIERセミナーでは、平尾准教授、塚田教授、脇山准教授が発表を行いました。IERの研究者、学生ら23人が参加しました。

平尾准教授は大気中トリチウム動態に関する研究について発表し、福島第一原発周辺等での観測結果をもとにした時空間変動と、その要因を風向風速等の環境因子の変動とともに説明しました。

塚田教授は、農作物中のヨウ素129およびセシウム137濃度に関する研究と、帰還困難区域での自家栽培作物や野生植物(山菜、果実など)による内部被ばくに関する研究について発表を行いました。前者については調査の結果、福島では原発事故由来のヨウ素129が検出されたものの、算出される内部被ばくはきわめて低いこと、後者については野生植物から一部基準値を超える濃度を検出したものの、内部被ばくへの影響は小さいことなどが説明されました。

脇山准教授は、浜通り北部を流れる新田川を対象に、周辺の除染活動が河川中のセシウム137動態に与えた影響についての研究結果を発表しました。また、大雨による増水時に採取したサンプルから得られた分析結果についても発表しました。

発表後にはさまざまな質問、コメントが飛び交い有意義な議論が交わされました。

塚田教授 塚田教授
脇山准教授 脇山准教授

令和4年10月24日 第5回IERセミナーを開催しました。〈大学院生〉

日 時: 2022年10月24日(月)14:40~15:30
発表者: 共生システム理工学研究科 環境放射能学専攻 博士前期課程2年
河原梨花、Sam KOH
演 題: ・Radiation distribution images by using Compton camera at Hamadori, Fukushima Prefecture(河原)
・Feasibility Study on the Application of Monte Carlo Simulations to Airborne Radiological Survey for the Estimation of Atmospheric Radon and its Progenies(Koh)

環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。

10月24日に開催した令和4年度第5回目のIERセミナーでは、環境放射能学専攻博士前期課程2年の二人がこれまでの研究成果について発表を行いました。2月の修士論文最終試験に向けた中間発表的な位置づけです。セミナーにはIERの教職員や学生など16人が参加しました。

鳥居研究室でコンプトンカメラを使用した放射線分布の可視化に取り組む河原さんは、帰還困難区域で実施した測定調査の結果やそこから導かれる今後の課題について発表しました。

また平尾研究室のコーさんは、航空機モニタリング調査で得られた放射線データと光輸送計算を用いた、上空大気中のラドン222およびその壊変生成物の濃度推定に関する基礎研究について発表しました。

発表後には教員から質問やコメントが挙げられ、修士論文の完成に向けよい刺激となったようです。

研究発表をする河原さんとコーさん 研究発表をする河原さん
研究発表をする河原さんとコーさん 研究発表をするコーさん

令和4年10月24日(月) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。
<ヨシェンコ教授・ジョンソン博士>

日  時: 2022年10月24日(月)午前10:20 - 11:50
場  所: 環境放射能研究所 本棟6階 大会議室、オンライン(Zoom)
講  師: ヴァシル・ヨシェンコ教授(IER)
トーマス・ジョンソン 博士、コロラド州立大学教授(外部講師)
タイトル: Radioecology: History and Today

環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。

10月24日、ヴァシル・ヨシェンコ教授とゲストスピーカーのトーマス・ジョンソン教授が共同で「環境放射能学Ⅱ」の講義を行いIERの大学院生と研究者が参加しました。放射生態学の歴史と現状に関する講義で、オンラインストリーミングでも配信されました。二人の講師は、放射生態学の成り立ち、目標、他の科学との関係、今後の課題と展望などについて相互に補いながら説明しました。実例をもとに、線量評価で使われる基本的な単位を説明、対策は詳細なリスク分析に基づいて正当化される必要があることを示しました。質疑応答では、福島原発のトリチウムを含有するALPS処理水の海洋放出計画に関する問題、トレーサーとしての放射性核種の利用、放射生態学プロジェクトにおけるステークホルダーの関与、放射生態学と保健物理学の関連性などについて、参加者から積極的な質問が出ました。

令和4年10月17日(月) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。
<シュタインハウザー 博士>

日  時: 2022年10月17日(月)午前16:00 - 17:30
場  所: オンライン(Zoom)
外部講師: ゲオルグ シュタインハウザー 博士、ウィーン工科大学原子力研究所
タイトル: Tracing anthropogenic radionuclides in the atmosphere

環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。

10月17日(月)に開催したゲオルグ・シュタインハウザー博士による「環境放射能学Ⅱ」のオンライン講義には、環境放射能学専攻博士前期課程5名、博士後期課程大学院生、IERメンバー、福島大学他学類の学生・研究者を含む40名以上が参加しました。この講義でシュタインハウザー博士は、世界各地の原子力事故が大気中における人工放射性核種のグローバルモニタリングよって追跡できること(例えば、チョルノービリ事故はスウェーデンで大気放出が発見されて初めてソビエト連邦が公表した)、2017年に欧州モニタリングステーションネットワークで検出された未申告の106Ru(放射性ルテニウム)の大気中放出に関する調査を例に、核鑑識の進歩について話しました。また、放出された放射性ルテニウムと安定ルテニウム同位体の濃度比とその化学種組成から、放出源(ロシア、マヤーク核施設)の推定と発生シナリオの把握が可能になったことを説明しました。質疑応答では、ローカルおよびグローバルな原子力事象を検知するモニタリングネットワークのさらなる発展の見通し、大気放出量を追跡するための空中調査、衛星原子力施設での空中事故、有機および無機ヨウ素を含む空中放射性核種の化学形態の説明の必要性、放射性物質放出調査における情報公開と国際協力について議論しました。

令和4年10月5日(水)福島高等学校の皆さんが来所しました。

IERの概要や研究内容を説明 IERの概要や研究内容を説明

福島県立福島高等学校の1年生40名がIERを訪れ、施設見学を行いました。福島高等学校は文科省よりSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)に指定されており、今回の見学はその活動の一環として行われたものです。IERの見学は約30分と短い時間でしたが、和田准教授から研究所の研究内容やサンプル処理、放射線計測などについて説明を受けました。

今回の見学を通して、放射能に関する研究に興味を持ち、大学院への進学や研究者への道を志すきっかけになれば幸いです。

ゲルマニウム半導体検出器を前に、放射線計測の仕組みを説明 ゲルマニウム半導体検出器を前に、放射線計測の仕組みを説明

令和4年11月2日(水)塚田祥文教授がIAEA Technical Meetingで招待講演を行いました。

日 付: 令和4年11月2日(水)~4日(金)
場 所: Mol, Belgium(ベルギー・モル)、現地及びオンライン
会議名: Technical Meeting on “The importance of communicating scientific facts: addressing radiation concerns in societies – the role of science technology and society. View from Belgium, Europe and Internationally”
タイトル: Joint investigation of 137Cs activity concentration in self-consumed crops produced by returnees in Namie, Fukushima.

令和4年11月2日(水)塚田祥文教授がIAEA Technical Meetingで招待講演(オンライン)を行いました。

Agendaはこちらから

令和4年10月4日 塚田教授が葛尾村にて調査を行いました。

令和4年10月4日(火)、塚田祥文教授が葛尾村の営農再開に向けた試験栽培を行っている水田にて、調査を行いました。
これは、葛尾村、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、および福島大学が共同で行っているプロジェクトの調査として実施されたものです。

塚田教授は、環境放射生態学を専門としており、土壌・灌漑水から作物への放射性核種の移行の解明などの研究を行っています。
今回の調査では、イネの収穫時期に合わせてイネと土壌採取を行いました。土壌の採取はハンドルを回しながら土コアを採取する器具を使用し、30cmほどの深さまで土コア6本のサンプルを採取しました。

塚田教授が採土器を使用している様子 塚田教授が採土器を使用している様子
このハンドルを回して掘っていく このハンドルを回して掘っていく
採土器で掘っている様子 採土器で掘っている様子
採土器で掘った後 採土器で掘った後

採取した土壌は研究所に持ち帰り、放射性物質の存在形態を調べ、どのくらい含まれているかを分析し、土壌や灌漑水からイネへの放射性物質の移行を調査します。

採土器で採取した土(サンプル) 採土器で採取した土(サンプル)

この調査は田植え後から月に2回継続して行っています。また、大熊町でも同様の調査を行っており、こうした調査は場所を変えながらこれまで5~6年ほど継続して行われています。
なお、農研機構では、土壌の肥料成分調査、コメの収穫量、食味など、それぞれの専門分野で調査をしています。
この調査を通して、特定復興再生拠点で安心して営農を再開し、安全な稲作ができるように調査を続けていきます。

令和4年9月30日(金) 学位記授与式が行われました。

ラハマン准教授と学位記を手にするフェルドウスさん ラハマン准教授と学位記を手にするフェルドウスさん

福島大学学位記授与式が行われ、IERで学ぶ学生が博士課程修了の日を迎えました。

バングラディッシュからの留学生フェルドウス・モハメド・アラムさんは、難波謙二教授、イスマイル・ラハマン准教授、高貝慶隆教授の指導のもと固相抽出システムを用いた水系マトリックスからの放射性核種の選択的分離について4年間研究を続け、博士号を授与されました。

また、研究科在学中の研究において、精力的に論文を執筆し投稿したことが評価され、学長賞を受賞しました。
学位記を手にしたフェルドウスさんの晴れやかな笑顔がとても印象的でした。 おめでとうございます!

難波所長と一緒に 難波所長と一緒に
IER4階ラハマン研究室のメンバーと。 IER4階ラハマン研究室のメンバーと。

令和4年8月19日 ウクライナへの機材引渡し式を行いました。

オンラインで行われた機材引渡式。スクリーン上右上がSAUEZM、エコセンターの関係者、左下がコルスンスキー大使、右下が松田大使 オンラインで行われた機材引渡式。スクリーン上右上がSAUEZM
エコセンターの関係者、左下がコルスンスキー大使、右下が松田大使

SATREPSチョルノービリプロジェクトでは、ロシアによるウクライナ侵攻により被害を受けたウクライナの共同研究機関へ機材供与を行っています。

8月19日には、チョルノービリに拠点をおく研究機関、国営特殊企業エコセンターへの線量計の納品に合わせ、ウクライナと日本をオンラインでつなぎ機材引渡式を行いました。 引渡し式にはIERとエコセンターのほかに、プロジェクトのウクライナ側代表機関であるウクライナ立入禁止区域管理庁(SAUEZM)やSATREPSプログラムの実施機関であるJICAが参加しました。さらにコルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使および松田ウクライナ駐箚日本国特命全権大使にもご参加を賜ることができました。

ご挨拶の中でコルスンスキー大使は、ザポリージャ原発がロシア軍の攻撃による危機にさらされる中での日本からの支援に感謝を述べられました。また松田大使からは、侵攻によりウクライナ国内の原子力施設の安全が脅かされる中、本プロジェクトの重要性がますます増しているとのお言葉をいただきました。そして日本政府として今後もウクライナ支援を続けていくとの意思が示されました。

難波教授からの目録贈呈の後、SAUEZMとエコセンターからは、ロシア侵攻後のチョルノービリ立入禁止区域の被害状況について説明され、日本からの支援に感謝を述べられると同時に、ロシア侵攻に断固として屈しないという強い意思表示がなされました。

SATREPSチョルノービリプロジェクトは本年度をもって終了する予定ですが、チョルノービリと福島という原発事故の経験で結ばれ縁が深いIERとしては、今後も何らかの形でウクライナ支援を継続したいと考えています。

機材供与について詳細はこちら
https://www.fukushima-u.ac.jp/news/Files/2022/08/kizai.pdf

SATREPSチョルノービリプロジェクトについてはこちら
https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2803_ukraine.html

難波教授より目録を贈呈 難波教授より目録を贈呈
今回エコセンターに納品された線量計を紹介 今回エコセンターに納品された線量計を紹介
参加者で記念撮影 参加者で記念撮影

ウクライナ人研究者の研修を実施しています。

220826_オレナさん 福島大学三浦学長を表敬訪問

IERでは現在、ウクライナ人共同研究者、オレナ・ブルドーさんを研修生として約4か月間の予定で受入れています。この研修は、所長の難波謙二教授が研究代表者となり、IERの多くの研究者が参加しているSATREPSチョルノービリプロジェクトの枠組みで行われています。

8月19日に行われた研修受入れに関する記者会見では、難波教授と受入れ教員である石庭特任講師から研修の目的等について説明したほか、オレナさん自身もロシアによるウクライナへの侵攻開始から来日に至るまでの経緯を説明しました。

オレナさんはウクライナ国立科学アカデミー原子力研究所に所属しており、専門は放射線生物学です。12月上旬までの研修では、ヒトや野生動物の被ばく線量評価に関する最新技術を学びます。

研修内容等の詳細はこちら
https://www.fukushima-u.ac.jp/news/Files/2022/08/kennkyuusha.pdf

SATREPSチョルノービリプロジェクトについてはこちら
https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2803_ukraine.html

記者会見にて、ロシア侵攻後のキーウの様子を紹介するオレナさん 記者会見にて、
ロシア侵攻後のキーウの様子を紹介するオレナさん
IER所属のウクライナ人教員と IER所属のウクライナ人教員と

令和4年8月8日 大学院生が釣獲調査を行いました。

220808_学生実習

令和4年8月8日、修士課程1年の大学院生4名が釣獲調査を行いました。これは環境放射能学専攻の必修科目である「環境放射能学演習」の一環として行われたものです。 なお、本釣獲調査は、福島県の特別採捕許可(特第4-14号)に基づき実施しています。

調査地への出発前に、調査の概要について和田准教授から説明がありました。調査地の特徴や生息する魚の原発事故後の放射性セシウム濃度の推移などを頭に入れて、さあ出発です。

調査は真夏の日差しが照り付ける中での作業となりました。学生の皆さんは慣れない手つきで竿を操りながらも、和田准教授のアドバイスを受けて無事一人1匹ずつサンプルとなる魚を釣ることができました。

学生が釣りをしている様子
学生が釣りをしている様子
学生が魚を釣り上げた様子
学生が魚を釣り上げた様子
学生が魚を釣り上げた様子

ちなみにこの調査地では外来魚のチャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)が近年大繁殖し、在来魚を駆逐しつつあることが問題になっています(論文へのリンク)。今回の調査でも釣れた魚の多くがチャネルキャットフィッシュでした。
また調査地(水中)の放射性セシウム濃度を計測するための採水も同時に行われました。

採水をしている様子
学生が魚を釣り上げた様子
学生が魚を釣り上げた様子

お昼休憩の後は、サンプルの処理について学びます。
和田准教授が慣れた手つきで魚を三枚におろしを実演すると、次は大学院生の番です。鋭くとがった棘(キョク)や包丁の扱いに気を付けながら、皆さんもなんとか三枚おろしに仕上げました。

保存容器U8にいれた「なめろう」

その後「なめろう」を作る要領でミンチ状にしたものをU8(ユーハチ)と呼ばれる容器に詰め、ゲルマニウム半導体検出器(ゲルマ)で測定する準備が整いました。
最後にゲルマにサンプルをセットし、測定を開始したところでこの日の実習を終えました。

大学院生の研究テーマは様々ですが、今回の演習では魚類サンプルの捕獲から計測まで一連の流れを学びました。
調査地が近く、アットホームな雰囲気で教員から研究手法を学ぶことができるのも、環境放射能学専攻の魅力ですね。

保存容器U8にいれた「なめろう」

令和4年6月29日(水) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<ジョンソン博士>

日  時: 2022年6月29日(水)午前10:20 - 11:50
場  所: オンライン(Zoom)
外部講師: トーマス・ジョンソン 博士、コロラド州立大学教授
タイトル: External dose calculations

環境放射能学専攻博士前期課程の一部授業では、著名な研究者を講師として招き、その授業を「特別セミナー」として学内の教員にも公開しています。

6月29日に開催されたトーマス・ジョンソン教授による「放射生態学」のオンライン講義には、環境放射能学専攻の修士学生5名とIERのメンバー8名が参加しました。
この講義でジョンソン教授は、ガンマ線やベータ線による外部被ばく線量の基礎的な計算方法を紹介し、低線量による健康影響評価の定義について説明しました。
134Cs と137Csの比ガンマ線放射定数や、点・線・面といった形状のガンマ線源からの線量の計算例で講義は大いに盛り上がり、VARSKIN等の線量計算ツールだけでなく、JAEA やBrookhaven National Laboratoryの核データベースへの有益なオンラインリンクの紹介まで及び、大変貴重で有意義な話を聞くことができました
質疑応答では、空間線量率に対する比ガンマ線放射定数や遮蔽効果の計算精度について参加者と議論が交わされ、日本と米国コロラド州の空間線量率や線源の比較についても言及されました。

<5月24日のセミナー記事はこちら>

令和4年6月28日(火) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<渡辺博士>

日  時: 2022年6月28日(火)午前10:20 - 11:50
場  所: オンライン(Zoom)
外部講師: 渡辺 嘉人 博士、量子科学技術研究開発機構 放射線医学研究所
タイトル: Effects of Fukushima accident on plants and animals

6月28日に開催された渡辺嘉人氏による「放射線影響学」のオンライン講義には、環境放射能学専攻5名と、IERのメンバー数名が参加しました。冒頭、渡辺博士は、標準動物および植物(RAPs)や誘導考慮参考レベル(DCRL)といった環境放射線防護のための基本的な概念を紹介し、ERICAアセスメントツール*におけるその実用性について説明しました。そして、福島原発事故後の大熊町の陸上と海洋生態系のRAPsの線量率を推定して、DCRLと比較することで放射線のリスク評価を行いました。さらに話題は、福島原発事故後に観察された野生動植物の放射線影響を明らかにした論文の総説、チョルノービリ原発事故による野生生物への影響、野外と実験室での放射線影響の違いを解釈する際の問題点、日本のモミの形態変化に関する研究の進展、そして渡辺博士が開発したモミの新しい線量測定モデルまで、幅広く多岐にわたりました。参加者は、照射時期によるモミの形態異常発生の違いや、新しい線量評価モデルとERICAアセスメントツール*の線量評価アプローチとの主な違いについて議論しました。

* ERICAアセスメントツール: EUの研究プロジェクトERICA(2004-2007年)で開発された、放射能濃度を入力すると線量率を計算し、リスク判定を行うコンピュータソフト。

<6月21日のセミナーの記事はこちら>

令和4年6月27日 第1回IERセミナー を開催しました。
<五十嵐特任講師、グシエフ特任准教授>

日  時: 2022年6月27日(月)14:00~16:00
発表者: 五十嵐 康記 特任講師
マキシム・グシエフ 特任准教授(発表順)
演 題: Progress in FY2021 and plans for FY2022 (五十嵐)
Overview of research plans in Environmental Isotopes Modeling(グシエフ)
五十嵐特任講師発表の様子 五十嵐特任講師発表の様子

環境放射能研究所(IER)では、所属研究者同士の交流、研究活動の推進を目的に、研究成果報告会「IERセミナー」を定期的に行っています。

6月27日に開催した令和4年度の第1回IERセミナーでは、五十嵐特任講師、グシエフ特任准教授が発表を行いました。オンライン聴講を含め研究者、大学院生ら31名が参加しました。

五十嵐特任講師は、阿武隈川中流域の河川水中の溶存および粒子状137Cs放射能濃度を長期的に調査した結果に加えて、今後の研究の展望や、SATREPSチョルノービリプロジェクトなどについて発表しました。

今年度IERに着任したグシエフ特任准教授は今回がIERセミナーでの初めての発表となりました。河川流域や地下水中の放射性物質の挙動に関するモデリングや環境トレーサーなどの研究を紹介しました。また、SATREPSチョルノービリプロジェクトに関する予備的な分析結果や、環境同位体モデリングに関する研究計画など、最近の活動内容やこれからIERで行っていく研究の概要について発表しました。

発表後には研究者による意見交換が行われ、活発な議論が交わされました。

質問時の様子 質問時の様子
グシエフ特任准教授発表の様子 グシエフ特任准教授発表の様子
発表時全体の様子 発表時全体の様子

令和4年6月21日(火) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<渡辺博士>

日  時: 2022年6月21日(火)午前10:20 - 11:50
場  所: オンライン(Zoom)
外部講師: 渡辺 嘉人 博士、量子科学技術研究開発機構 放射線医学研究所
タイトル: Biological effects of radiation in Fukushima

環境放射能学専攻博士前期課程の一部講義では、著名な研究者を講師として招き、その講義を「特別セミナー」として学内の教員等にも公開しています。

6月21日に渡辺嘉人博士による「放射線影響学」のオンライン講義が開催され、環境放射能学専攻の大学院生5名と、IERのメンバー4名が参加しました。講義では、放射線影響の基本的なメカニズム、異なる種類の放射線(a線, b線, g線)による外部被ばくと内部被ばく、ヒトに対する確定的影響および確率的影響、g線照射施設での長期実験結果に基づいた放射線感受性の種間差と染色体体積への依存性について説明されました。また、チョルノービリや福島の動植物(ヨーロッパアカマツ、ニホンアカマツ、モミ、メダカ、ネズミなど)に観測された放射線障害の事例を紹介し、それらの染色体異常頻度の線量依存性を分析しました。質疑応答では、福島の避難区域で観測されたネズミの放射線影響について、詳細な議論が行われました。

<6月28日のセミナーの記事はこちら>

「写真展 ウクライナを思う」を開催しました。

日  時: 2022年4月15日(金)~18日(月)
場  所: 福島市清水「ヒロヤギャラリー」
写真展@ヒロヤギャラリーの様子写真展@ヒロヤギャラリーの様子

「写真展 ウクライナを思う」
4月15-18日に福島市清水のヒロヤギャラリーで、チャリティー写真展を実施しました。

 開催した4日間で、のべ295名の方にご来場いただき、502,945円のご寄付を賜りまして誠に有難うございました。皆様方の温かいご支援に、あらためて心より厚く御礼申し上げます。いただいた寄付金は、全額ウクライナ駐日大使館に寄付いたしました。大使館には、ウクライナ人避難者の生活支援や戦災からの復旧・復興に役立ていただくようお願いしています。

また、チャリティー写真展開催にあたり、駐日ウクライナ特命全権大使セルゲイコルスンスキー閣下からお手紙をいただきました(下、参照)。

来場頂いた皆様には、SATREPS で実施している国際プロジェクトやチョルノービリ(チェルノブイリ)での研究調査の様子だけでなく、キーウ(キエフ)の美しい街並みや親切で優しいウクライナの人々、ウクライナでの日常の風景をご覧になって、現在の戦争の過酷さをウクライナ人の身になって感じていただいたようです。

開催前や開催中にメディアで取り上げていただき、多くの来場者につながったものと思います。なにより、全ての方がウクライナを支援したいという思いで来場されたように感じられました。また、福島県内でも各所でウクライナからの避難者受入準備が進んでいることも写真展来場者を通じて確認できました。

 さらに、今回の写真展を別の場所でも開催したいという申し出を複数いただき、4月22日(金)~5月8日(日)福島市のまちなか交流施設「ふくふる」にて福島市主催で写真展を開催しました。続いて、5月23日(月)〜5月30日(月)および6月10日(金)〜6月30日(木)に郡山市役所でも開催されます。学内では、福島大学付属図書館にて5月23日(月)から写真展を開催しています。こうした活動により、ウクライナへの支援がさらに継続・拡大することを願っています。

写真展@ヒロヤギャラリーの様子 写真展@ヒロヤギャラリーの様子
難波所長講演の様子 難波所長講演の様子
コルスンスキー大使から難波所長への手紙 コルスンスキー大使から難波所長への手紙
コルスンスキー大使から難波所長への手紙
難波所長からコルスンスキー大使へのお礼状 難波所長からコルスンスキー大使へのお礼状
難波所長からコルスンスキー大使へのお礼状

令和4年6月7日(火) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<ゲラスキン博士>

令和4年5月24日(火) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<ジョンソン博士>

IERの研究者による英文学術書が出版されました。

令和4年5月17日(火) IER特別セミナー (オンライン)を開催しました。<ホーレマンス博士>

令和4年4月13日 駐日ポーランド大使が来所しました。

令和4年4月13日 脇山義史准教授が研究成果を発表しました。

令和4年4月4日 環境放射能学専攻に新入生を迎えました。