2016.12.06 チェルノブイリと福島を繋ぐ研究協力プロジェクト開始に伴うワークショップを開催しました。

  • 12月6日、国際協力機構(JICA)とウクライナ政府立入禁止区域管理庁長官とが、チェルノブイリ災害後の環境モニタリング体制構築に係る協力枠組みについて合意文書に署名を行いました。これにともない、福島大学においてワークショップ(講演)を開催しました。
    本ワークショップは、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に条件付き採択された平成28年度新規採択研究課題『チェルノブイリ災害後の環境管理支援技術の確立』に関し、チェルノブイリと福島を繋ぐ研究協力プロジェクトの開始にともなうものです。

    発表者:
    難波謙二 福島大学環境放射能研究所長
    セルギイ・コールスンスキー(Sergiy Korsunsky)
        ウクライナ外務省 エネルギー問題担当特使
    セルヒイ・パラシン(Serhii Parashyn)
        ウクライナ政府立入禁止区域管理庁長官付アドバイザー
    オレグ・ナスヴィット(Oleg Nasvit)
        ウクライナ国家戦略研究所、日・ウクライナ原発事故後協力合同委員会事務局
    ノルベルト・モリトール(Norbert Molitor)
        プレアデス有限会社代表、ウクライナ政府立入禁止区域管理庁アドバイザー

2016.11.21 大熊町にて環境放射能研究所研究活動懇談会を開催しました。

  • 2016年11月21日、第2回となる環境放射能研究所研究活動懇談会を大熊町役場いわき出張所にて開催いたしました。
    本研究所は避難指示区域などをフィールドとして、各地方自治体の職員の方々や、地域住民のみなさまのご理解・ご協力のもと研究を行っています。なかでも大熊町にて実施している研究テーマは多く、今回はそうした研究を中心に研究報告を行いました。
    報告後は、来場者が発表研究者に質問したり、研究者が来場者に地域の現状についてお話しを伺う時間としました。今回お越しいただいた参加者の意見については、本研究所でのこれからの研究活動に活かしてまいります。
  • ●日 時:11月21日(月)午後2時から午後4時
    ●場 所:大熊町 いわき出張所
    ●発表者:和田敏裕 准教授
          脇山義史 講師
          奥田 圭 特任助教

2016.11.17 UNSCEARと情報交換会を行いました。

  • 2016年11月17日、国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)と環境放射能研究所との情報交換会を行いました。来日中のUNSCEARメンバーのうち9名が福島大学を訪れ、午前中は、本研究所研究者4名と福島県環境創造センター研究員1名が研究発表を行い、活発な意見交換をしました。午後は、福島市内の除染土の仮置き場など福島の現況を視察しました。UNSCEARとIERは、今後も福島の環境放射能分野の研究について協力しながら推進することを確認し、会を閉じました。

    なお、UNSCEARは「東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルと影響に関するUNSCEAR2013年報告書刊行後の進展」と題した報告書を刊行しました。これは、2013年の報告書を更新したもので、国連科学委員会による今後の作業計画を指し示す2016年白書です。PDF版がUNSCEARのウェブサイト "Fukushima 2016 White Paper"からダウンロードできます。

2016.10.19 中学生に向けて和田敏裕准教授が模擬授業を行いました。

  • 福島県立会津学鳳中学校1年生の大学見学において、和田敏裕准教授による模擬授業「福島県の沿岸漁業復興にむけて!」を行いました。

2016.10.5 福島県産海産物の放射性セシウム濃度の低下と沿岸漁業の復興に関する論文を公表しました。

2016.9.14 インドネシアで開催された国際会議で塚田祥文教授が基調講演を行いました。

  • インドネシアのバリで開催された国際会議SPERA2016 & SERIR2(The South Pacific Environmental Radioactivity Association & The 2nd International Conference on the Sources, Effects and Risks of Ionizing Radiation)(2016年9月5〜9日)において、塚田祥文教授(環境放射能研究所副所長)が「東京電力福島第一原子力発電所事故から5年、福島大学環境放射能研究所の研究活動」と題して基調講演を行いました。この会議では、アレクセイ・コノプリョフ教授、ヴァシル・ヨシェンコ特任教授も口頭発表を行いました。
    基調講演 塚田祥文 Research Activities of the Institute of Environmental Radioactivity at Fukushima University, Five Years after the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Accident
    口頭発表 Aleksei Konoplev Behaviour of Caesium-137 in Ponds at the Vicinity of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant
    Behaviour of Fukushima-, Chernobyl- and Mayak-derived Radiocaesium in the Environment: Similarities and Difference
    Vasyl Yoschenko Radiocaesium in Fukushima Forests: Dynamics and Impacts
    塚田祥文 The Concentration of Caesium-137 in Dissolved and Suspended Fractions in Agricultural Waters Collected from the 80-km Zone Around the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station
    ワークショップ 塚田祥文 Soil and suspended matter sampling and processing following the Fukushima accident

2016.9.6 ヘルシンキで開催された国際会議で青山道夫教授が招待講演を行いました。

  • ヘルシンキで開催された原子力と放射化学に関する2016年国際会議 "NINTH INTERNATIONAL CONFERENCE ON NUCLEAR AND RADIOCHEMISTRY - NRC9" において青山道夫教授が「福島原発事故:陸と海への影響」と題して招待講演を行いました。

    【講演の概要】
    事故直後から2016年3月までの日本沿岸から北太平洋全域での表層および海洋内部での同事故により放出された放射性セシウムの挙動を観測事実とモデル計算の結果を示して、どのような挙動をしているかを示した。その特徴は、表層では予想されたように東向きの早い輸送が見られたこと、海洋内部では南向きの過去には知られていなかったような早い輸送で北緯2度に達していることを示した。また世界中の関心事である事故による環境への放射性核種の放出総量も提示した。

2016.8.31 佐賀県で開催されるシンポジウムにて福島県農作物の現状を発表します。

  • 佐賀県で開催されるシンポジウムにおいて、塚田副所長が「福島県における農作物中放射性セシウムとストロンチウム-90濃度および作物摂取による被ばく線量評価」と題して、福島県農作物の現状を発表します。科学的なデータを示すことで、福島県の風評被害等の払拭に寄与して参ります。

    <発表の概要>
    ・市場に流通している農作物中の放射性セシウム濃度は、2012年産と2013年産で平均値は7.2から2.0 Bq/kg新鮮重量と約4分の1に減少した。
    ・減少の要因は
    ①カリウム肥料施用による低減化効果
    ②放射性崩壊(主に半減期が2.07年の134Cs)による減少
    ③エイジングによる土壌への固定化等が考えられる

    ・作物濃度から算出した19歳以上男子の被ばく線量は、全て福島県産を摂取したと過大に評価しても2012年0.066mSv、2013年0.016mSvで、食品から許容することのできる年間の被ばく線量の基準1mSvを充分に下回ることが確認された。

    日時 2016年9月22日(木)13:30〜
    会場 佐賀大学本庄キャンパス教養教育大講義室

    詳細はポスターをご覧ください。

2016.8.3 福島大学環境放射能研究所と国際原子力機関が協定書を締結しました。

  • 福島大学環境放射能研究所(IER)と国際原子力機関(IAEA)は環境分野における研究協力に関する協定書を締結しました。

    詳細は福島大学定例記者会見を参照してください。

    定例記者会見で発表する難波所長

2016.8.2 浪江町にてIER研究活動懇談会を開催しました。

  • 2016年8月2日、IER研究活動懇談会を開催いたしました。
    本研究所の中でも野生哺乳類の研究を浪江町中心に行っているトーマス・ヒントン教授、奥田圭特任助教、また、ため池や水系の調査を行っているアレクセイ・コノプリョフ教授から各々の研究内容、これまでの成果について報告を行いました。IERのイノシシの研究で非常にお世話になっている浪江町猟友会の方8名にも参加して頂き、浪江町で関心の高いイノシシの生態、現状、その研究結果がもつ意味、対策などについて質問が数多く出されました。
    後半には、会場から研究結果のデータによって帰町への影響がどの程度でるものなのか、といった質問も出され、所長より、万が一政策決定に大きな影響がでるような結果が出た場合、関係省庁や住民の方々へお伝えする準備があること、またそのために住民の方とIERの懇談会といった話し合いの場を継続的に重ねていきたいとの展望をお話し、会を締めくくりました。
  • ●日 時:8月2日(火)午後1時30分から午後4時30分
    ●場 所:浪江町本庁舎
    ●発表者:奥田 圭 特任助教
         トーマス・ヒントン 教授
         アレクセイ・コノプリョフ 教授
         コロラド州立大学 留学生 5名

    左から 奥田圭特任助教、トーマス・ヒントン教授、アレクセイ・コノプリョフ教授

2016.7.12 浪江中学校3年生と環境放射能研究所研究者との交流会を行いました。

  • 場 所 福島大学理工募金記念棟 会議室
    日 時 2016年7月12日(火)14:30-16:00
    参加者 トーマス・ヒントン教授、奥田 圭特任助教、難波謙二教授
    浪江中学校3年生12名、コロラド州立大学大学院生6名(特別参加)

    2016年7月12日、浪江中学校3年生のみなさんが"ふるさと創造学"の授業で環境放射能研究所の仕事を学びに来訪されました。本研究所の中でも浪江町中心の調査をしているヒントン教授、奥田特任助教、ちょうど短期交換留学生として来日中のコロラド州立大学大学院生6名が参加し、中学生との研究交流を行いました。ヒントン教授から "環境放射能学"のレクチャーを行い、中学生が各々準備してきた質問を英語や日本語で先生たちに答えてもらいました。徐々に緊張も取れ、通訳を交えながら笑顔で交換留学生との交流もでき、最後にヒントン先生から中学生に抜き打ちで飛び出したレクチャーの内容確認の質問にもきちんと回答していただけました。
    次世代を担う若者に、科学的知識を持つ大切さを感じてもらうため、こうした機会をひろげながら、研究を進めていきます。

2016.7.6 震災ドキュメンタリー『福島:2011-2014』を見る会が開催されました。

  • 震災ドキュメンタリー『福島:2011-2014』を見る会が、福島大学で開催されました。

    Japan Desk Scotland

2016.7.6 平成28年度学長学術研究表彰受賞記念講演が開催されました。

  • 学長学術研究表彰受賞記念講演が開催されました。
    その中で、環境放射能研究所兼務教員である、高貝慶隆 共生システム理工学類准教授が「超微量成分の迅速分析技術の開発と福島第一原発への展開」というタイトルで講演を行いました。

2016.7.1 ゲストセミナーを開催しました。

  • Dr. Kazuhiro Aoki(ジョージア大学)によるを招待セミナーを開催しました。

    主催:環境放射能研究所
    日時:2016.07.1
    場所:福島大学募金記念棟

    詳細はこちらをご覧ください。

2016.5.31 平成28年度 福島大学重点研究分野「foRプロジェクト」に3研究を指定

  • 福島大学は平成27年度から「『21世紀的課題』が加速された福島での課題」の解決に結びつく研究を重点研究分野として指定する「foRプロジェクト」を実施しています。
    環境放射能研究所から和田敏裕准教授を代表とする研究グループ(環境放射能)が指定されました。

    「foR−Aプロジェクト」指定研究の概要は福島大学のWebを参照してください。
    平成28年度 福島大学重点研究分野 「foRプロジェクト」の指定について

2016.5.11 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)における平成28年度新規採択研究課題の決定。

2016.3.28 和田敏裕准教授が平成27年度水産学奨励賞を受賞しました。

  • 3月28日に開催された平成28年度日本水産学会総会において、和田敏裕准教授が平成27年度水産学奨励賞を受賞しました。タイトルは「希少なカレイ類の生態解明と栽培漁業技術の向上に関する研究」です。
    福島県周辺海域で行ったホシガレイやマツカワの研究成果に加えて、震災後の水産物の放射性物質汚染や漁業復興に関連する研究業績が認められ受賞の運びとなりました。
    JSFS 平成27年度 水産学奨励賞 和田敏裕殿
    貴下の業績題目「希少なカレイ類の生態解明と栽培漁業技術の向上に関する研究」の業績を表彰しあわせて研究の一層の発展を希望する
    平成28年3月28日 公益社団法人日本水産学会 会長 渡部終五
    他の受賞者など詳細は日本水産学会のWebを参照してください。

2016.3.7 第2回成果報告会 開催報告

  • 平成28年3月7日(月)コラッセふくしま(福島市)において「第2回成果報告会」を開催し、環境放射能研究所の研究者と連携研究機関の代表者24名の口頭発表と関係研究機関等による37のポスター発表が行われました。
    当日の来場者数は200名を超え、盛況のうちに幕を閉じました。ご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。

    なお、当日の概要はまとまり次第、こちらに掲載します。


2016.2.12 青山道夫共著の論文がJNST Article Awards 2015を受賞しました。

  • 青山道夫共著の論文(主著は日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター 猪股弥生研究員)が「The Journal of Nuclear Science and Technology Most Popular Article Award 2015」を受賞しました。これは、Journal of Nuclear Science and Technology (JNST) がMost Cited Article Award(掲載後5年間の被引用数の多い論文)とMost Popular Article Award(掲載後1年間のダウンロード数の多い論文)を表彰するもので、今回は2014年に掲載された論文から後者を受賞したものです。

    Distribution of radionuclides in surface seawater obtained by an aerial radiological survey [Fukushima NPP Accident Related]

    Yayoi Inomata, Michio Aoyama, Katsumi Hirose, Yukihisa Sanada, Tatsuo Torii, Takaki Tsubono, Daisuke Tsumune & Masatoshi Yamada


    他の受賞論文など詳細は日本原子力学会のWebを参照してください。

2016.1.7 アメリカ、ドイツの学生に特別講義を行いました。

  • 福島大学では、一部の学生交流協定校より短期間留学生を招き、福島県の各地域に赴き、地域住民や学生等との交流を中心としたフィールドワークを行うプログラム「Fukushima Ambassadors Program」を実施しています。第8回目となる本プログラムでは、彼らが福島の現状を客観的に理解し、それぞれの専攻を活かした視点から発信すること、また将来的に福島県の復興に資する共同研究を志すきっかけとなることを目標としています。今回は2016年1月5日から16日まで、アメリカ ニューヨーク州立大学アルバニー校から6名、ドイツ ハノーバー大学から2名、ルール大学ボーフムから1名が招聘されました。
    1月7日には福島大学環境放射能研究所を訪れ、トーマス・ヒントン教授が特別講義を行いました。