2015.12.08 Dr.Thomas Johnson氏が来所されました。

  • コロラド州立大学からDr.Thomas Johnson氏(保健物理学科)が来所されました。コロラド州立大学との協定に基づく学生受け入れ打ち合わせを行いました。

2015.12.01 UNSCEARとIERで情報交換会を行いました。

  • UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)と環境放射能研究所で情報交換会を行いました。Malcom事務局長からUNSCEARの活動(福島関連の取組みなど)、IERから全体の取り組み、陸域環境における研究を中心に関する話題が提供されました。(下記プログラム参照)
    なお、UNSCEARは2015年10月22日に「東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルと影響に関するUNSCEAR2013年報告書刊行後の進展」と題した報告書を刊行しました。これは、2013年の報告書を更新したもので、国連科学委員会による今後の作業計画を指し示す2015年白書です。PDF版がUNSCEARのウェブサイト "Fukushima 2015 White Paper"からダウンロードできます。
    2015年(平成27年)12月1日
    Program of information exchange with UNSCEAR and IER
    In IER meeting room, Fukushima University
    13:10-13:30 Activities of UNSCEAR for Fukushima Malcolm Crick UNSCEAR
    13:30-14:00 Outline of IER Activities, and Radiocesium in Agricultural Environment and Plants in Fukushima Hirofumi Tsukada IER
    14:00-14:20 Behavior of the Fukushima Origin Radiocesium in Soil-water Environment Alexei Konoplev IER
    14:20-14:40 Radiocesium in Fukushima Forests Vasyl Yoschenko IER
    14:40-15:00 A New Tool for Measuring External Dose in Free-ranging Wildlife Thomas Hinton IER
    15:00- Discussion and Technical short visit to IER laboratory

    出席者:
    UNSCEAR; Malcolm Crick, Kotaro Tani, Hiroshi Yasuda
    IER; Tomas Hinton, Alexei Konoplev, Vasyl Yoschenko, Hirofumi Tsukada

2015.11.04 平成27年度学長学術研究受賞記念講演が行われました。

  • 学長学術研究受賞記念講演が福島大学後援募金記念棟で行われた。環境放射能研究所から、青山道夫特任教授が「セシウム137の高精度分析とデータベース化に基づいた海洋循環の研究」、高橋隆行教授(環境放射能研究所参与)が「ロボットならびにその関連技術に関する広範な研究と産学連携」というタイトルで講演を行った。
    青山道夫特任教授は講演の中で、研究の動機として「環境における放射能汚染の実態の把握、大気・海洋における物質輸送研究のトレーサーとしての利用」を挙げ、福島第一原子力発電所事故の20年以上前から続けてきた研究と、事故後の調査結果について講演した。
    トレーサーとは、流体の動きを追跡するために使われる微量物質のことで、青山特任教授は海水中のセシウム137をトレーサーとして採取し、太平洋のセシウム137の三次元分布を作成し、海洋循環過程を明らかにした。

2015.10.07 チェルノブイリでの長期調査によって明らかにされた野生動物の個体数変化及び福島県の避難指示区域における調査の実施について

  • 環境放射能研究所のトーマス・ヒントン教授を含む国際研究チームは、チェルノブイリ原発事故によるベラルーシ国内の居住禁止区域および同国内の低汚染地域の自然保護区において野生動物の個体数と放射線量の関係を調査しています。これまでに得られた調査結果と、英語圏で発表されていなかった事故翌年からのデータをあわせて分析を行い、このたび、その分析結果を国際的な査読論文誌『Current Biology』に発表しましたので、ご報告いたします。
    詳細はこちら

2015.10.02 平成27年度学長学術研究表彰式が行われました。

  • 平成27年度学長学術研究表彰の表彰式が行われました。環境放射能研究所から青山道夫特任教授、高橋隆行教授(参与)が表彰された。受賞理由は以下の通り。

    青山道夫特任教授:
    地球化学、海洋化学の研究に長年従事してきた。チェルノブイリ原発事故の際に、環境影響を評価するために多くの環境試料の放射能測定を実施し、情報を世界に発信する取り組みを行ったことをはじめとして、世界の研究者の組織化や分析法の標準化、データベースの構築・配布・解析、そして最新の海洋大循環モデル研究との共同研究など、日本では稀な戦略的研究を推進してきた。また、東日本大震災に伴う原発事故に関連して、日本の海洋放射能汚染研究を先導し、情報を世界に発信し、地球化学研究協会における最高位の賞である「三宅賞」を受賞するなど、地球化学における業績が高く評価された。
    高橋隆行教授:
    ロボットとその関連技術に関する広範な研究と産学連携に取り組んでおり、文部科学省イノベーションシステム整備事業において、福島大学初のベンチャー企業設立という成果も挙げた。また、東日本大震災に伴う原発事故により被災した湖沼の放射能汚染調査に関する取り組みや、廃炉人材育成に係る研究、災害時に方向困難者の避難を補助する機器の開発など、広範囲なロボット研究を精力的に進めている。
    参考リンク:福島大学研究振興課FB

2015.09.09 平成27年度福島大学長学術研究表彰受賞者を発表。

2015.09.08 COMETワークショップ報告書掲載のお知らせ。


  • 福島大学環境放射能研究所は、欧州委員会の研究助成を受け、世界15ヵ国20機関が参加している研究プロジェクトCOordination and iMplementation of a pan-Europe instrumenT for radioecology (COMET:汎欧州放射線生態学共同研究機構構築に向けた調整実施事業) に参加しています。
    同プロジェクトの事業の1つとして、2015年7月17日に東日本大震災・東京電力福島第一発電所事故の被災地視察、18〜19日に福島市飯坂町において、環境放射生態学を専門とする研究者が集まり「事故による環境への放射線影響に関するワークショップ」を実施いたしました。このたび、この事業の報告書 (Deliverable 5.4、英文のみ)が完成しましたのでご紹介いたします。
    本報告書は、COMETのウェブサイト(ICOBTE 2015 and Fukushima COMET workshop in Japan)に掲載されています。

2015.08.12 福島大学重点研究分野「foRプロジェクト」に4研究を指定。

  • 福島大学は『21世紀的課題』が加速された福島での課題の解決に結びつく研究を重点研究分野として指定し、研究費を重点配分する「foRプロジェクト」を立ち上げ、「農業」、「廃炉」、「ロボット」、「環境放射能」の4研究分野・研究者を決定した。
    同プロジェクトに指定されたのは、経済経営学類の小山良太教授(農業)、共生システム理工学類の高貝慶隆准教授(廃炉)、同学類の高橋隆行教授(ロボット)、環境放射能研究所の和田敏裕准教授(環境放射能)の4人。震災や原発事故による深刻な地域課題の解決に向け、研究が加速することが期待される。
    「foRプロジェクト」指定研究の詳細はこちら

2015.07.19 Fukushima COMET Workshopが福島市で開催されました。

  • 7月18・19日の二日間、福島市飯坂町で「Fukushima COMET Workshop」が開催された。これは、7月12〜16日に福岡で行われた「The 13th International Conference on the Biogeochemistry of Trace Elements 第13回微量元素の生物地球化学に関する国際会議」に続いて、COMET (COordination and iMplementation of a pan-Europe instrumenT for radioecology) 主催で行われた。COMETとはヨーロッパの放射線生態学研究のためにEUの資金で運営されて、福島大学環境放射能研究所をふくめ世界15ヵ国20機関が参加している研究プロジェクトである。
  • 福島COMETワークショップでは、事故により放出された放射性核種の大気、陸域、海洋環境等での動態について議論した。また、福島とチェルノブイリの事故による放射性セシウムの挙動の相違点などについても議論された。今回の福島ワークショップの成果は、今後のCOMETプロジェクトの方針にも大きく寄与する内容となり、充実した議論が展開された。IAEAが2015年11月にウィーンで開催する「MODARIA II(Modelling and Data for Radiological Impact Assessments)」でも本ワークショップの内容・成果を議論する予定である。
    福島ワークショップ後、福島大学環境放射能研究所を視察して全行程を終了した。

    さらに詳しい概要はDeliverable 5.4: ICOBTE 2015 and Fukushima COMET workshop in Japanに掲載されている。

2015.07.16 ICOBTE 2015 Fukuokaにてポスター賞を受賞しました。

  • 賞状を手にする塚田祥文環境放射能研究所副所長。

    13th International Conference on the Biogeochemistry of Trace Elements (ICOBTE2015)とは、微量元素の生物地球化学に関する国際会議で、日本開催は今回の第13回福岡が初めての開催となります。今回受賞したポスターは、Understanding and mitigating the environmental behaviour of radiocaesium after the Fukushima accidentに参加したものです。

    ICOBTE 2015 Fukuoka The Poster Award
    The 13th ICOBTE Conference Organization
    This is to certify that
    H.Tsukada, A.Takeda, M.Satou, T. Saito, and N.Yamaguchi were awarded in recognition of excellence in scientific impact, presentation performance and poster design in their poster presentation in the 13th International Conference on the Biogeochemistry of Trace Elements, ICOBTE 2015, Fukuoka, Japan.
    entitled
    Relationship between soil-to-plant transfer factor of 137Cs in agricultural plants and radiocesisum interception potential.

2015.06.04 福島大学でヨヘン・チルシュ博士の講演会が行われました。

  • ヨヘン先生はドイツ環境衛生研究センター 放射線防護研究所 放射線生態学研究グループ長を勤められています。大気中に放出された放射性核種の拡散・沈着・再浮遊の仕組みについて、また冬期や屋内ではどうかという新しい研究内容について講演されました。

2015.06.01 福島大学でフランカ・カリーニ教授の講演会が行われました。

  • フランカ先生は果樹における放射性核種の挙動研究における第一人者です。前日に京都大学原子炉実験所主催の国際シンポジウムで果樹内の放射性核種の挙動研究について講演を行いましたが、当講演では研究者向けに踏み込んだ内容で発表を行いました。

2015.05.31 京都大学原子炉実験所主催の国際シンポジウムが開催されました。

  • 5月30〜31日、福島市飯坂にあるパルセいいざかにて、京都大学原子炉実験所主催による「第4回原子力安全基盤科学研究シンポジウム」が開催され、二日間でのべ800名余りが参加した。1日目は4セッションの発表、2日目は2つの招待講演と2つのパネルディスカッションが行われた。また同時にポスターセッションも行われた。
  • 環境放射能研究所からは、塚田祥文副所長が「福島県産農作物の放射性核種濃度」と題した講演が行われた。また、ポスターセッションには環境放射能研究所から多くの研究者が参加した。
    ポスターセッションの内容は以下の通り。
    トピックス2 環境放射線・外部被ばく評価
    2-2 David C.W. Sanderson, Y.Sanada, A.Cresswell, S Xu, S.Murphy, S.Ishibashi, T Yamada
    Integrating nuclide specific and dose rate based methods for airborne and ground based gamma ray spectrometry
    トピックス3 環境放射能・内部被ばく評価
    3-6 Olena Pareniuk, Volodymyr Ilienko, Kateryna Shavanova
    Influence of bacterial biofertilizers on the 137Cs uptake by the agricultural plants
    3-16 Vasyl Yoschenko, Kenji Nanba, Tsugiko Takase
    Radiocesium in the Fukushima forests: distribution at the intermediate phase after the Fukushima accident and effects to the plants
    3-18 海野祐介, 塚田祥文, 武田晃, 高久雄一, 久松俊一
    土壌コアの137Cs、85Sr、125I分配係数鉛直プロファイル
    Vertical profile of partition coefficients of 137Cs, 85Sr and 125I soil core
    3-19 武田晃, 塚田祥文, 中尾淳, 海野祐輔, 高久雄一, 久松俊一
    青森と福島の農地土壌における放射性セシウムの捕捉ポテンシャルと土壌特性
    Radiocesium interception potentials and soil properties in agricultural soils in Aomori and Fukushima
    3-23 松中哲也, 笹公和, 末木啓介, 恩田裕一, 谷口圭輔, 脇山義史, 高橋努, 松村万寿美, 松崎浩之
    新田川における粒子状ヨウ素129の移行挙動
    Migration behavior of particulate 129I in the Niida River system
    トピックス5 その他
    5-11 青山道夫, 浜島靖典, Mikael Hult, 植松光夫, 岡栄太郎, 津旨大輔, 熊本雄一郎
    北太平洋における2011年3月の福島第一原発事故起源セシウム134とセシウム137の表層輸送経路及び鉛直分布
    134Cs and 137Cs in the North Pacific Ocean derived from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident, japan, in March 2011: Surface pathway and vertical distribution

2015.05.15 ウクライナの大学、研究機関と連携協定を結びました。

2015.05.08 成果報告会のスライドの一部をアップしました。

  • 平成27年3月19日に行われた「第一回 福島大学環境放射能研究所 成果報告会」で使用されたスライドの一部をアップしました。下記バナーをクリックして一覧を見ることができます。


2015.04.01 新所長に難波謙二が就任しました。

  • 前所長であった高橋隆行共生システム理工学類教授が退任し、新たに1日付で難波謙二共生システム理工学類教授が環境放射能研究所長に就任しました。難波の後任には塚田祥文環境放射能研究所教授が副所長として就任しました。なお恩田裕一副所長については、継続して副所長を担当します。

2015.03.01 小泉進次郎 内閣府大臣政務官が来所されました。

  • 小泉政務官は、福島大学の教育復興への取り組みを視察するため来学されました。その一つとして環境放射能研究所を視察されました。

    写真は、高橋隆行環境放射能研究所長(写真右)からサンプルチェンジャー付ゲルマニウム半導体検出器の説明を受ける小泉政務官(写真中央)。

2015.02.19 「野生動植物への放射線影響に関する意見交換会」に難波謙二教授とVasyl Ioshchenko特任教授が参加しました。

  • 平成26年2月19日、環境省(事務局・自然環境研究センター)主催の「平成26年度 野生動植物への放射線影響に関する意見交換会」が開催された。このワークショップに難波謙二教授とVasyl Ioshchenko特任教授が参加し、それぞれ「福島大学環境放射能研究所の紹介」と「福島における植物への放射線影響調査」について講演した。このワークショップは、福島第一原子力発電所事故後の野生動植物への影響について、様々な研究機関等が主体となり行われた調査の実態を関係者間で共有し、各調査主体の連携を促進することを目的として行われた。

    難波謙二教授は最初に環境放射能研究所がもつ5部門について説明し、さらに本研究所の特徴である国内外の研究機関と連携しながら運営を行う点について説明した。今後の取組として諸外国、特にチェルノブイリがあるウクライナの研究機関および大学との連携を図り、国際連携によるフィールド研究を実施すること、学生および実務候補者の実地教育・訓練などを行い国際的にも活躍できる人材を育成すること、等について語った。

    Vasyl Ioshchenko特任教授は、チェルノブイリで得られた森林での放射線影響調査と比較しながら、福島の樹木の形態学的変化について説明した。チェルノブイリにおける大規模な観測の結果、ヨーロッパアカマツでは、主に樹齢3年から10年の若木において頂芽優勢が消失していることが確認されている。こうしたことから福島でもアカマツの幼木に注目し調査している。福島でも同じような形態変化が確認されており、また古い樹木ではほとんど見られないのもチェルノブイリと同様である。なお福島のサンプル数がまだ少なくアカマツにおける頂芽優勢消失に対する線量率依存効果を算定できないため、引き続きデータを蓄積する、と述べた。

2015.02.13 環境放射能研究所のメンバーがウクライナを訪問しました。

2015.01.19 青山道夫教授共著の「Fukushima Accident Radioactivity Impact on the Environment」がPROSE Awardsを受賞しました。

  • 福島大学環境放射能研究所教授(任期付)である青山道夫博士(Pavel P. Povinec, 廣瀬勝己 共著)の「Fukushima Accident Radioactivity Impact on the Environment」がPROSE Awards(Environmental Science部門)を受賞しました。

    出版社: Elsevier
    ISBN-10: 0124081320
    ISBN-13: 978-0124081321